研究課題/領域番号 |
23500802
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
高木 二郎 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50384847)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 産業精神保健 / 気分障害 / 自殺 / 職場のいじめ / ハラスメント / 相互貢献感 |
研究概要 |
平成23年度の目的(1)「職員同士の相互貢献についての情報収集」のため、関連する国内外の実証研究、Alfred Adler、Viktor Emil Frankl、Abraham Harold Maslowらによる理論、モデルなどの文献をレビューして批判的吟味を行い、職員同士の相互貢献についての理論的枠組みの構築を行った。 平成23年度の目的(2)「職員同士の相互貢献尺度の開発・確立」のため、目的(1)の成果に基づき、職員同士の相互貢献の概念・定義を明確にし、7項目の職員同士の相互貢献感尺度案を開発した。また、作成した職員同士の相互貢献感尺度案を含む自記式質問紙調査を職域にて行った。2715名より回答頂き、良好な因子妥当性(1因子構造)、構成概念妥当性、内的整合性(α値>0.85)を得た。こうして相互貢献感尺度は、使用可能なものとして、新たに確立された。 さらに、平成24年度の目的(3)「職員同士の相互貢献感が職場における精神的健康に寄与する際に考えられる3つの機序((1)職場におけるいじめやハラスメントが予防されること、(2)自己評価が上がること、(3)貢献のお返しとして支援を受けること)がどのように働いているかの検証」を媒介分析にて行った。うつ状態を目的変数として行った結果、(1)は一部の集団にて認めた。(2)は一般に認められ、約半分は説明がついた。(3)は認められなかった。睡眠障害を目的変数として行った場合は、明らかな媒介効果はいずれも認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
前述のように、平成24年度の目的(3)まで終了している。
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今後の研究の推進方策 |
平成24-25年度の目的(4)「職場における職員同士の相互貢献を促進する介入(例:職員同士の相互貢献が、給与を査定する上での要素の一つにあることを開示する)によって、職場におけるいじめやハラスメントが減少し、うつ状態が予防されるかを検証する」を行う。現在介入法を策定し終わり、フィールドの確保を図っている。すでにフィールドとなる施設を一か所確保している。さらにフィールドを確保するために、交渉を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度研究費未使用分と、本年度研究費を併せて、介入前後に使用する調査票作成、介入で使用する冊子の作成、データ入力、協力者への謝金、研究打ち合わせや結果発表のための旅費等に使用する。
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