• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

思春期・成人百日咳など学校感染症予防教育のためのe-learning教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23500804
研究機関香川大学

研究代表者

鎌野 寛  香川大学, 保健管理センター, 教授 (60284337)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード学校感染症
研究概要

(1)思春期・成人百日咳集団感染の定性的,説話的な分析:Day 0:学生1名が百日咳疑いで自宅待機となった。Day 7:発端学生と同学部生8名が百日咳疑いと診断された。Day 8:他学部の25名の学生,教職員からも咳症状の訴えがあった。以後,連日,「咳症状の訴え」が継続し、百日咳患者数が増加し続けた。Day57:集団感染は終息した。その間、百日咳と疑われた人は合計290名に上った。咳を主訴としてくる学生・教職員の属性をみるとすると、同じ団体に加盟する人,同じ施設に居住する人,特定の部屋で作業する人に集積しており、その時系列および空間的な広がりをあらためて分析した。例えば、同じ施設に居住する人の事例の分析を要約する。はじめに学生1名に感冒症状が出現。その後、咳が出現増悪。治療薬投与となる。その後、時間の経過につれて複数の学生に症状が出現した。彼らは同じ施設内で生活しているため室の行き来が頻繁にあった。このような半閉鎖的な小集団における感染が波状的に広がり大学全体の集団感染に至ったことが拡大の要因の一つと考えられた。(2)思春期・成人百日咳集団感染の定量的・統計的分析:われわれは、今回の百日咳集団感染を起こした集団と健康な集団の百日咳凝集素価を比較して、ある一定水準値以上の人の割合が百日咳集団に有意に多いことを見出した。そして、その水準値以上の人に認められる症状と、臨床検査医学的に言われている基準値以上の人に認められる症状を比較すると、われわれが見出した水準値以上の人に認められる割合が高値であることが判明した。(3)その他の学校感染症の分析:われわれは百日咳のみならず、その他の学校感染症としてインフルエンザ集団感染の分析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

臨床検査医学的に言われている凝集素価が基準値以上の人に認められる症状の割合と、われわれが見出した水準値以上の人に認められる症状の割合とを比較すると、われわれが見出した水準値以上の人に認められる割合が高値であることは、今までの報告にない新しい事柄であると考える。

今後の研究の推進方策

今後は百日咳感染のシミュレーションを行う予定である。また、可能であれば、その他の学校感染症の分析も行う。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度に得られた研究成果を報告するための旅費等、研究用周辺機器など消耗品、研究の進捗度に応じて必要になった場合には分析用機器を導入する可能性がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Clinical symptoms of pandemic influenza H1N1 2009 and effects of neuraminidase inhibitors for university students.2011

    • 著者名/発表者名
      Kamano H, Mori T,Murakami C et. al.
    • 学会等名
      The Fourth ESWI Influenza Conference
    • 発表場所
      Malta
    • 年月日
      2011年9 月12日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi