研究課題/領域番号 |
23500805
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
石井 明 香川大学, 工学部, 教授 (90134866)
|
研究分担者 |
清國 祐二 香川大学, 生涯学習教育研究センター, 教授 (60252889)
大西 美智恵 香川大学, 医学部, 教授 (30223895)
|
キーワード | 近視 / 外遊び / 自動視力計 / 行動変容 |
研究概要 |
本年度は、長期的活動のための基盤づくりとして、次の3つを実施した。 (1)行動変容を促すための行動的教育モデルの構築実験I:小規模小学校(1学年ほぼ1クラス)の4年生20名の教室に自動視力計を5週間設置し、児童に休憩時間等を利用して自らの視力を自由に測定させた。その結果、全児童が一人で自分の視力を測定できること、最初の2週間は興味を持って幾度となく測定を行うこと、視力が高い児童ほど測定回数は多く、視力の変動に興味が高いことがわかった。また、調査結果を養護教諭に報告するとともに、調査対象のクラスで「近視を知ろう」と題して近視の仕組みと近視の予防の特別講義を行い、行動変容を促すための行動的教育モデルについて検討した。 (2)行動変容を促すための行動的教育モデルの構築実験II:中規模小学校(1学年ほぼ2クラス)の全学年263名を対象に、自動視力計2台を保健室に設置し、各学年2週間ごと、3ヶ月間、児童に視力を自由に測定させるとともに、視力測定期間の前後に視力に対する関心と生活習慣を把握するためのアンケート調査を行った。自動視力計を設置することによる行動変容をアンケート結果と視力測定結果より評価することができることがわかった。 (3)小学校での外遊び効果の実証実験:上記(2)の小学校の学童保育で外遊び効果の測定実験を行った。その結果、強めの遊びでは視力回復を示す児童の割合が半数を越えることがわかった。また、上記(2),(3)の調査結果については、当該小学校校長と養護教諭に報告するとともに、報告書を当該小学校および当該教育委員会に送付した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
下記の2つの観点より,おおむね順調に進展していると判断する。 1.「家庭における視力変動の調査」は②おおむね順調に進展している:計画作成当初は、休日や放課後の家庭での過ごし方と視力変化との関係を求める予定であったが、視力に対する関心と生活習慣を把握するための詳細なアンケート調査により、生活習慣と視力との関係が明確となったことがわかり、当初の目的を達成した。 2.「長期的活動のための基盤づくり」は②おおむね順調に進展している:規模が異なる2つの小学校で行動変容を促すための行動的教育モデルの構築実験を行ったことにより、遠見視力の低下は生活習慣病であって予防できるという情報提供の仕方、視力に対する関心や問題意識を喚起するための教育モデルを検討することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は当初の計画通りに、視力低下を防止する取組の地域への普及を目指すために、小学校の協力を得て、生活習慣作りの取組の中で、良い生活習慣作りが視力低下の回避につながることを児童ならびに保護者に情報伝達できる仕組みを検討する。また、視力回復に効果的な外遊びの質と量に関する検討を引き続き行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度は最終年度であるので、①行動計画の実践のための映像機材の追加購入、②広報活動のためのホームページの整備、講演会開催費と報告書作成費、③成果発表の参加費と旅費に使用する。
|