本研究は、レクリエーションのランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビュー(SR)や各データベースにおける文献検索などを行うことにより、レクリエーションの教育・健康増進の効果に関するエビデンスを明らかにすることを目的とした。 さらに、レクリエーションにおける研究方法論や教育・啓発のアジェンダを明確にすることを最終的な目的とした。 本研究は、次の方法を中心に実施した。(1)レクリエーションに関するRCTのSR、(2)医学系データベース「医中誌Web」を用いた文献検索によるレクリエーションに関する論文の特徴把握、(3) 医学系データベース「PubMed」による文献検索でのレクリエーション研究のナレイティブ・レビュー、(4)その他、ハンドサーチに基づくレクリエーションのフィージビリティや教育・啓発に関わる事項の考察を行った。 レクリエーションは、リハビリテーションに関連した効果のアウトカム、とくに患者の心理(うつ、気分、情緒、活気)やバランス・運動機能、アドヒレンス(実行可能性や出席率)において、向上させる可能性があることが示された。しかし、RCTは11編と少なく、当該分野の研究の推進が必要であることが明らかとなった。 課題としては、「レクリーションの用語の定義と応用可能性」、「レクリエーションの効果に関するエビデンスの再構築」、「科学的根拠に基づいた教育・啓発活動」、「教育・啓発に対するアカデミックな姿勢と倫理」が必要であることの4つを提案する。
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