研究課題/領域番号 |
23500821
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研究機関 | 富山国際大学 |
研究代表者 |
大石 昂 富山国際大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20115132)
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研究分担者 |
大平 泰子 富山国際大学, 公私立大学の部局等, 講師 (00555188)
鈴木 国威 大阪人間科学大学, 人間科学部, 准教授 (20580913)
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キーワード | DV / デートDV / 感情イメージ / 依存 / 支配 |
研究概要 |
平成24年度の研究活動は、5/19,8/18-19,9/29,10/13,12/8,2/10-11の6回の研究会を軸にして、①感情イメージ研究のレビュー論文の作成、②短縮版イメージ調査法の検討、③DV調査の質問紙作成及び実施方法の検討、の3点を中心に進められた。2月の研究会においては、「石川県こころの健康センター」角田雅彦氏を講師に、特にDV加害者に対する支援の在り方についてヒアリングを行い、DV防止の取り組みにおいて被害者支援とともに加害者支援を一体的に行う重要性について認識を深めた。 1、感情イメージ研究のレビュー論文については、イメージ心理学会誌編集委員会からの修正要求について対応し、再度投稿を行った。 2、従来のイメージ調査法は、8感情語と調査内容にって異なる約30の対象語を組み合わせるため回答者の負担が大きく、調査の信頼性が低下する欠点があるのでデータの再分析を行った結果、感情語を2~4(嫌、喜、怒、恐)に絞っても感情価の予測が可能であることが分かった。これによって調査項目を半分以下に減らすことができ、短縮版イメージ調査法の信頼性・妥当性が確認されて今回のDV調査に組み込む見通しが立った。 3、DV調査項目の作成及び実施法の検討を行い、調査会社との具体的な協議を始めたところ、調査項目に暴力的な加害、被害体験や性的行動に関するものが含まれるために複数社から実施不可能との回答があり、調査対象と調査方法について再検討を行い、それに対応して調査項目の見直しも行うこととなった。現時点では、テーマをデートDVに絞り、一般青年を対象に実施する方向で検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、感情イメージ研究の成果及びイメージ調査法をDV問題に応用することにより、DVの心理学的機序を明らかにし、同時に感情イメージ研究を深化させることを目的としている。 DV問題に関しては、デートDVを中心に従来のデータの再分析と新たなデータ収集を行うと同時に、DV問題に直接かかわる支援者からのヒアリングを行い、その心理的機序について解明を進めている。 感情イメージ研究の発展という点では、この分野における論文のレビューを行い学会誌に投稿を行った。現在、修正再投稿中である。 これらをもとにDV問題に特化したイメージ調査を短縮版として作成し、DV調査と併せて実施するための項目作成をほぼ完了し、実施方法について検討を行っている。 このような状況から、研究の達成度としてはおおむね予定通りに進行していると考えるものである。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、①DV調査の実施と結果の分析検討、②これらに基づくDV防止の方策の提言の作成、の2点である。 1、DV調査については、調査対象を一般青年に絞り、また問題をデートDVに限定する方向で調査項目を作成し、実施する。結果の分析は研究会において行う予定である。 2、DV防止の方策については、さらに関係者との協議を進め、被害者、加害者の双方を視野に置いた防止教育という観点での提言を検討したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
1、研究会実施のための旅費 60万円 次年度は、関係者へのヒアリングも含めて6回程度の会合を予定している(すでに1回実施)。 2、調査実施およびデータの入力・解析のための経費 40万円 3、報告書作成のための経費 10万円
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