研究課題/領域番号 |
23500823
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
飯田 忠行 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (50290549)
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研究分担者 |
伊藤 康宏 藤田保健衛生大学, 医療衛生学部, 教授 (40176368)
井上 顕 島根大学, 医学部, 准教授 (40469036)
高野 優 熊本県立大学, 環境共生学部, 助手 (80405571)
原田 俊英 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (60181020)
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キーワード | 抑うつ / 8-OHdG / ストレス / 月経 / 若年女性 |
研究概要 |
若年女性を対象に抑うつ症状と細胞内の酸化ストレスに伴うDNA損傷との関連を明らかにする。しかし、女性においては、月経周期が抑うつ症状と酸化ストレスの関連に交絡しているかもしれない。そこで、月経周期別に質問紙調査による抑うつ症状の判定と尿中8-hydroxy-2’deoxyguanosine (8-OHdG)量の測定を行った。 調査対象は、58名(21.6±0.8歳)とし、月経期間を卵胞期(月経開始から3日以内)、排卵期(13~15日)、黄体期(24~26日)の3期間に分けた。各期に質問紙調査と採尿を行った。質問紙には、self-rating depression scale (SDS)を用いた。SDSより正常と抑うつ症状の判定を行い、SDSが40点以上の状態が2期間続いたものを「抑うつ症状要因あり」、それ未満のものを「抑うつ症状要因なし」とした。抑うつ症状と月経周期を要因として8-OH-dGに対する影響の検討では、抑うつ症状要因は抑うつ症状のあり・なしの2水準、月経周期要因は月経期、増殖期、分泌期の3水準とし、検定には対応のない因子と対応のある因子による二元配置分散分析を用いた(SPSS21.0J)。 月経周期は尿中8-OHdGに統計学的有意な関連を示さなかった。一方、「抑うつあり」で5.5ng/mL、「なし」で3.4ng/mLと、「抑うつあり」で高値となり、月経周期に独立して抑うつ症状と統計学的に有意な関連を示した。さらに、8-OHdGによる抑うつの有無の弁別能を調べたROC解析では、AUCが月経期、増殖期でそれぞれ0.73、0.77と統計学的にも有意であったが、分泌期では0.67とやや低く、統計学的有意性も消失した(p=0.067)。横断的研究ではあるが、抑うつ症状のある者では、何らかのストレスにより体内の活性酸素が増加した酸化ストレス状態にある可能性が示唆された。
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