研究課題/領域番号 |
23500825
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研究機関 | 名古屋学芸大学 |
研究代表者 |
山内 惠子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 准教授 (90387910)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 予防医学研究室, 研究員 (40335443)
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キーワード | ポーションコントロール / 食事療法 / 2型糖尿病 / メタボリックシンドローム / 減量 |
研究概要 |
欧米では肥満や2型糖尿病の食事療法のひとつとして、ポーションコントロールがあり、その有用性が報告されている。山内は、計量・カウントに手間がかかるという欠点を考慮し、減量や血糖改善を目指した「簡単カーボコントロール法」を開発した。この方法は糖尿病の食品交換表をベースにエネルギーと糖質を適度に制限し、オリジナルのポーションコントロールプレート「ヘルシープレート」に主食、主菜、副菜を一定比率で盛り付けるものである。処方方針は糖質エネルギー比40~50%とし、3か月後にはプレートを逆さに利用することで、炭水化物を60%の通常食に戻す方法である。最終年度には、肥満を伴う2型糖尿病患者(BMI24%以上)を無作為2群に分け、比較対象試験を実施し、減量効果や空腹時血糖およびHbA1cの減少に効果的であることや、教室前後における服薬状況も改善が認められたことを確認した。この方法が身体組成の変化及び生化学データにより多くの改善効果がみられることが明らかとなり、簡単カーボコントロール法は肥満を伴う2型糖尿病患者において有効であると示唆された。 さらに、BMI25%以上の肥満群に対し、ヘルシープレートを活用した、ポーションコントロール法が、メタボリックシンドローム構成要因に及ぼす影響を精査した結果、エヌセップの5項目である肥満・血圧異常・血糖異常・脂質異常のTG・HDL-cの割合が、それぞれ76.5%から5.3%、血圧は67.4%から23.5%、血糖値異常は42.4%から24.2%へと、高中性脂肪は23.5%から0に、HDL-cも20.6%から14.7%へと、全項目で改善していた。特に減量によって血圧と脂質の改善は大きく、メタボ点数は2.3±1.1より1.1±0.9へと有意に改善し、メタボ該当者も44.1%から5.9%へと有意に減少していた。特定保健指導へのへの活用もできるのではないかと考える。
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