研究課題/領域番号 |
23500827
|
研究機関 | 千里金蘭大学 |
研究代表者 |
東 照正 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (80116087)
|
研究分担者 |
芦田 信之 成美大学, 経営情報学部, 教授 (50184164)
三輪 のり子 千里金蘭大学, 看護学部, 准教授 (10377244)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
キーワード | 体感型ゲームスポーツ / 動画双方向遠隔通信 / 高齢者健康運動 / 地域交流 / 青年高齢者交流 |
研究概要 |
平成23年度(初年度)の目標は健康増進運動プログラムの準備を行ない、試験的に実施することで、準備には実施場所の選定と設営、動画像計測システムと双方向遠隔通信の設置と試運転、運動指導士の運動メニューの用意、参加者の募集を含んでいた。運動指導士による運動メニューを用意し、トレーニング機材は新規購入した。運動内容は、体感型ゲームスポーツとして近年急速に普及してきているマイクロソフト Kinect Xboxを採用して、トレーニングメニューを新たに組みなおした。試験的実施場所として芦田信之研究分担者の研究拠点:成美大学のある京都府福知山市を選んだ。8月25日を中心に、動画像簡易計測システムと双方向遠隔通信装置を千里金蘭大学と福知山成美高等学校に設置し、動画像計測データの取得や遠隔的運動指導の運用試験を行なった。その結果に基づいて、健康増進運動プログラムの試験的実施を行った。3月24日を中心に、福知山市大江町河守中央の市北部保健福祉センターで運動メニューと体力測定を実施して、遠隔的に動画像を大学研究室に送り、運動指導士と医師がデータの妥当性を確認し解説した。これらの結果は、インドネシア・バリで2011年11月22~25日に開催されたTENCON2011において一部公表された(Survey of mobile phone radio waves condition in rural area for two-way communications in disaster. N. Ashida, M. Fukui, Y. Nasu, T. Higashi, TENCON2011, 981-984, 2011)。また、2012年4月18日付の両丹日日新聞の第1面で、「遠隔地から直に体操指導 -テレフィットネス 成美大学教授が研究」として掲載された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
全研究期間内に明らかにする事項A)~E)について、進行状況は以下の通り非常に順調である。A)開発した動画像簡易計測システムとウェブカメラによる双方向遠隔通信に近年のユビキタス技術を加えて、健康増進運動プラグラムを構成する →上述の通り、予定通り順調に実施できた。B)複数の社会生活の場を選定して、プログラムを適用する →最初の取っ掛かりとして、研究分担者の研究拠点である成美大学の所在地、京都府福知山市を選んだが、1箇所だけの試験運用ではあるものの、実施内容は深いものとなり、計画は初年度の予定を超えて進んだ。C)プログラムの導入と維持が容易なように、コスト(ヒトとモノ)の低減化を追求する →新しい体感型ゲームスポーツ Kinect Xboxの導入を含めて、検討段階を終了し、予定通り来年度以降に実施できるようになった。D)参加者の意識調査とコストの算定を繰り返して、費用対効果を検証・改善する →計画通り、来年度以降の実施となる。E)指導用のテキストとビデオ教材を含めた汎用的なプログラムを取りまとめる →上述C)の通りである。最終年度に予定していた「研究成果の社会・国民への発信」は、学会発表とマスコミを通じて、第1弾を行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
申請書に記した当初の実験計画は順調に進んでいるので、次年度以降も、計画通りに推進する。簡易重心動揺計Wii Fit Plus、通信機能付き簡易脈拍計、データ集積型万歩計で動画像計測データ以外の身体計測データを集積し、一般的な体力測定も行う。健康運動指導の新たな実施現場を選定する。研究代表者の勤務地である千里金蘭大学(職場型)と大阪府吹田市千里ニュータウン(地域コミュニティ型)での展開を試みる。必要な機器や運動メニュー(指導用テキストやビデオ教材)を整理し、汎用的な健康増進運動プログラムの作成を進める。また引き続いて、学会発表や報道機関などを通じての社会還元に務める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究は要求研究経費でもって4年間で完結させ、最少の費用で最大の成果を社会へ還元することを目指すことに変更はない。平成23年度の支出を振り返って平成24年度の使用計画を立てる。「物品費・人件費・謝金・その他」は予算を消化し切れなかったが、実験実施回数が増えるにしたがって、使用額も増加すると予想される。一方で、「旅費」は国際学会TENCON2011への参加があったために、予算を大幅にオーバーした。年度にとらわれずに研究費の使用が可能な基金化のメリットが生かされた結果と考える。三輪のり子研究分担者の支出が少なかった点も、次年度での支出によってバランスを取ることができるため、研究費が有効に使用できるものと考える。芦田信之研究分担者の平成24年度研究費使用予定はすべてが「物品費」であるため、研究代表者の元で支出を行う予定である。
|