研究課題/領域番号 |
23500827
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研究機関 | 千里金蘭大学 |
研究代表者 |
東 照正 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (80116087)
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研究分担者 |
芦田 信之 成美大学, 経営情報学部, 教授 (50184164)
三輪 のり子 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (10377244)
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キーワード | 体感型ゲームスポーツ / 動画双方向遠隔通信 / 高齢者健康運動 / 地域交流 / 青年高齢者交流 |
研究概要 |
平成23年度(初年度)の目標は健康増進運動プログラムの準備を行ない、試験的に実施することであった。運動指導士による運動メニューを用意し、トレーニング機材は新規購入した。運動内容は、体感型ゲームスポーツとして近年急速に普及してきているマイクロソフト Kinect Xboxを採用して、トレーニングメニューを新たに組みなおした。平成24年度には、試験的実施場所として芦田信之研究分担者の研究拠点:成美大学のある京都府福知山市を選んだ。動画像簡易計測システムと双方向遠隔通信装置を千里金蘭大学と福知山成美高等学校に設置し、動画像計測データの取得や遠隔的運動指導の運用試験を行ない、引き続いて健康増進運動プログラムの試験的実施を行った。福知山市大江町河守中央の市北部保健福祉センターで運動メニューと体力測定を実施して、遠隔的に動画像を大学研究室に送り、運動指導士と医師がデータの妥当性を確認し解説した。この試験運用で良好な結果が得られたので、平成25年度には、兵庫県福知山市の地域高齢者組織「いきいきサロン私市」と成美大学との間で本格的な遠隔運動指導を行った。参加者19名(高齢者14名、小学生4名、小学生の引率者1名)を対象に、体感型ゲームを用いた地域高齢者の運動習慣の促進を図った。これらの成果と今後の問題点につき、国際学会(MITA2013)で公表した(Miwa Noriko, Higashi Terumasa, Ashida Nobuyuki, Takayama Satoru: Applicability and Issue of Interactive Telecommunication as a Support Tool of Health Promotion for the Elderly in Rural Area. The 9th International Conference on Multimedia Information Technology and Applications, July 2-6, 2013, Nikko Japan Hotel, Bali, Indonesia)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
全研究期間内に明らかにする事項A)~E)について、進行状況は以下の通り非常に順調である。この点は平成24年度から変わりはない。 A)開発した動画像簡易計測システムとウェブカメラによる双方向遠隔通信に近年のユビキタス技術を加えて、健康増進運動プラグラムを構成する →上述の通り、予定通り順調に実施できた。 B)複数の社会生活の場を選定して、プログラムを適用する →最初の取っ掛かりとして、研究分担者の研究拠点である成美大学の所在地:京都府福知山市を選んだ。順調な試験運用に引き続いて、福知山市からの協力を得て、今年度の本格運用が実現した。 C)プログラムの導入と維持が容易なように、コスト(ヒトとモノ)の低減化を追求する →新しい体感型ゲームスポーツ Kinect Xboxの導入を含めて、検討段階を終了し、予定通り来年度以降に実施できるようになった。 D)参加者の意識調査とコストの算定を繰り返して、費用対効果を検証・改善する →計画通りに実施できた。 E)指導用のテキストとビデオ教材を含めた汎用的なプログラムを取りまとめる →平成26年度に作成できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
申請書に記した当初の実験計画は順調に進んできたので、最終年度以降も、計画通りに推進する。 簡易重心動揺計Wii Fit Plus、通信機能付き簡易脈拍計、データ集積型万歩計で動画像計測データ以外の身体計測データを集積し、一般的な体力測定も行う。 健康運動指導の新たな実施現場を選定する。研究代表者の勤務地である千里金蘭大学(職場型)と大阪府吹田市千里ニュータウン(地域コミュニティ型)に加えて、マスコミ報道を見て連絡のあった大阪市内の高齢者福祉施設での展開を試みる。 必要な機器や運動メニュー(指導用テキストやビデオ教材)を整理し、汎用的な健康増進運動プログラムの作成を進める。 また引き続いて、学会発表や報道機関などを通じての社会還元に務める。
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次年度の研究費の使用計画 |
国際学会出席のために外国出張したが、会場ホテル滞在費が当初計画よりも高価になったため、消耗品費と人件費を大学の個人研究予算から代替えで支出し、それらの調整下で、科学研究費に約4万円の余剰金が生じた。 研究実施個所が複数に増加するため、消耗品費が当初計画よりも増加すると見込まれるので、そこに充当する予定である。
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