研究課題/領域番号 |
23500830
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
江口 泰正 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教 (70512185)
|
研究分担者 |
大和 浩 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (90248592)
太田 雅規 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (70341526)
|
キーワード | 運動 / インターバル / ヘルスプロモーション / 生活習慣病 / 心血管系リスク / 身体活動 |
研究概要 |
本研究は、「短期刺激型インターバル運動」が、生活習慣病予防に対して効果があるかどうかを介入実験によって明らかにするものである。研究初年である平成23年度は、肥満傾向にある一般市民を対象に12週間の介入実験を実施した。研究参加者のうち、心電図等に異常がなく、12週間の介入期間を途中離脱せず継続した30名について分析した結果、「短期刺激型インターバル運動」の継続群は、運動をしなかった「非運動群」と比較して、体重、HbA1c、最大酸素摂取量の項目で有意に改善されていた。しかしながら、同じ運動量の「一定負荷運動群」との間には有意な差は認められなかった。 24年度は、23年度に得られたデータの分析結果をもとに、国際学会1演題(第2回アジア太平洋ヘルスプロモーション健康教育学会)、及び国内学会1演題(第85回日本産業衛生学会)の発表を行った。さらに英文による論文の作成、投稿を行い、Journal of UOEH,34(4) に掲載された。この論文では、「短期刺激型インターバル運動」と「一定負荷運動群」との間には有意な差は認められなかったことを報告したが、その理由として運動量を同等に設定し、他の生活も運動開始前の状態を維持するように設定したので、身体活動量に大きく依存する体脂肪量や血中脂質系の指標に差が出にくかったのではないかと考察している。一方で、高強度の運動を含む「短期刺激型インターバル運動」では、短時間とはいえ相対的に酸化ストレスへ強く晒されている可能性が考えられる。そのため、得られた試料からさらに酸化ストレスとその防御系に関する分析(NOx、SOD活性、8イソプラスタン、8-OHdG等)を実施した。その分析データの統計解析は、全体のまとめを含めて25年度に行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、研究期間2年目に予定していた研究内容を、初年度に公募した被験者が予想以上に集まったことから、効率化を図る目的で2年目の予算を前倒しで使用し、介入研究、分析をまとめてすることができた。その後の公表や追加分析等も順調に進んだため。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、24年度に実施した酸化ストレスとその防御系に関する試料分析結果とともに、生活状況調査などの結果も合わせて統計解析を実施して全体のまとめを行うとともに、可能な限り多くの場での公表を試みる予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
25年度の研究費については、研究全体のまとめ行うための情報収集や、学会等で結果を報告する旅費が中心となるが、運動以外の生活活動への影響を明らかにするための追加実験が可能であれば、その費用にも充てたい。
|