研究課題/領域番号 |
23500845
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
正木 孝幸 大分大学, 医学部, 助教 (00423715)
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研究分担者 |
吉松 博信 大分大学, 医学部, 教授 (00166993)
後藤 孔郎 大分大学, 医学部, 医員 (10457624)
千葉 政一 大分大学, 医学部, 助教 (20457633)
加隈 哲也 大分大学, 医学部, 講師 (80343359)
清家 正隆 大分大学, 医学部, 助教 (40253794)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 肥満症 |
研究概要 |
肥満やメタボリックシンドロームなど生活習慣病を考える上で食事の習慣への介入は重要である。現在その中でどれ位、どのような食事を食べたのかという食事の量や食事内容の解析が主に行われている。一方で食事の量、内容とあわせて、間食、夜食などいつ食べたのかという食事時間帯のずれ、いわゆる食事のリズムも大切な因子である。実際に夜勤者などで同じ量の食事を食べても夜型の食事の方が太りやすい現象などはよく見られるが、その詳細な解析は未だである。今回の実験目的は、食事時間のリズムの違いと、肥満症、メタボリックシンドロームとの関係を、マウスを用いて解析していくことである。実験方法はマウスを摂食リズムにより、(A)通常モデル群、(B)摂食量はかえずに暗期中心に摂食する暗期摂食群、(C)明期中心に摂食する明期摂食群の3群に分け3週間解析した。その時の実際の食事量と体重の測定を経時的自動摂食リズム解析装置を用いて日々測定し、まずその表現形を解析した。通常の15%前後の餌では3群ともに著変は認めなかったが、60%高脂肪食を摂取したときはC)明期中心に摂食する明期摂食群が有意に(A)通常モデルQ、(B)摂食量はかえずに暗期中心に摂食する暗期摂食群に比較して体重の増加を認めた。またその際の、副睾丸周囲脂肪重量の有意な増加と血糖値、血液インスリンの増加をC)明期中心に摂食する明期摂食群において認めた。以上より高脂肪食負荷時に、通常は摂食しない明期中心に摂食することが肥満また糖尿病の発症につながっている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的の達成度の区分としてはおおむね順調に進展している。具体的には平成23年度に摂食リズム変化モデル動物の作成、表現型の解析を行う予定であった。当初の予定通り摂食リズム変化モデル動物の作成、表現型の解析はおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
次に平成 24 年度に、摂食リズム変化モデル動物の 末梢性因子の更なる解析と、脳からの新規、あるいは既知のリズム関連分子の単離を行い今年度得られた表現系における関与について進める。摂食リズム変化モデル動物表現形の確認と各生理学的な検査を施行する。血中、末梢組織の糖脂質代謝因子の解析では肝臓および白色脂肪内の血糖、インスリン、中性脂肪やレプチン、アディポネクチン、腫瘍壊死因子、インターロイキンなどの血中、組織内のサイトカイン測定を行う。サイトカイン測定は、ウエスタンブロッテイング法やエライザ法で実施する。また単離した脳内でのリズム関連因子の変動をリアルタイムピーシーアール法などを用いて解析を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験のモデル動物の購入とあわせて肝臓および白色脂肪内の血糖、インスリン、中性脂肪やレプチン、アディポネクチン、腫瘍壊死因子、インターロイキンなどの血中、組織内のサイトカイン測定のためのエライザキットなどを購入する。あわせて脳内でのリズム関連因子の変動の解析のためのウエスタンブロッテイング法、リアルタイムピーシーアール法の試薬を購入予定である。また一部の検体は免疫染色を行うためそれらの試薬などの購入も計画している。
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