研究課題
肥満やメタボリック症候群の治療において食事への介入は重要である。食事の介入は一般に食事の食事の量や内容への介入が主に行われている。一方で食事の量や内容とあわせて間食や夜食などいつ食べたのかという食事の時間帯のずれ、いわゆる食事のリズムも重要と考えられる。そこで今回肥満症における食事のリズムについて解析した。マウスを摂食のリズムにより、通常摂食群、摂食量はかえずに暗期中心に摂食する暗期摂食群、明期中心に摂食する明期摂食群の3群に分けて肥満症への影響や白色脂肪や脳内因子への影響について解析した。明期中心に摂食する明期の高脂肪食摂食群が通常摂食群や暗期摂食群に比較して有意に内臓脂肪量の増加を認めた。また明期の高脂肪食摂食群では、血糖値とインスリン濃度、中性脂肪濃度、肝臓内中性脂肪含量と骨格筋の中性脂含量の増加を認めた。さらに明期摂食群で通常摂食群や暗期摂食群に比較して白色脂肪内のレプチンと腫瘍壊死因子の増加所見を認めた。一方、脳内では視床下部においてヒスタミン合成酵素発現の暗期での低下が見られ、エネルギー消費の相対的低下所見を認めた。最後にヒスチジンを明期中心に摂食する明期摂食群へ脳内投与したところ明期摂食群の肥満が部分的に改善した。以上より高脂肪食負荷時に通常は摂食しない明期中心に摂食する食事のリズムが肥満症の発症につながりその関連因子として脂肪組織のレプチン、腫瘍壊死因子、脳内のヒスタミン合成酵素が関与している可能性が示唆された。
すべて 2014
すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)