研究課題/領域番号 |
23500846
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
加隈 哲也 大分大学, 医学部, 講師 (80343359)
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研究分担者 |
吉松 博信 大分大学, 医学部, 教授 (00166993)
清家 正隆 大分大学, 医学部, 助教 (40253794)
正木 孝幸 大分大学, 医学部, 助教 (00423715)
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キーワード | 過栄養性脂肪肝 / 脾臓摘出 / 炎症性サイトカイン / IL-10 / 摂食リズム障害 / 肥満症 |
研究概要 |
本研究は過栄養性脂肪肝の病態生理学的メカニズムと活性酸素によるDNA障害の関与を目的として計画したものであったが、基本的コンセプトが同じである「8-Oxoguanine DNA Glycosylase (OGG1) Deficiency Increases Susceptibility to Obesity and Metabolic Dysfunction. Sampath H et.al.」が2012年にPLoS One誌に報告されたため、少々方針を変えて実施している。平成24年度には、高脂肪食負荷ラットの脾臓を摘出すると、肝臓で炎症誘発性性サイトカインであるTNFα、IL-1β、MCP1の発現が亢進し、酸化ストレスマーカーである8-oxoGや4-HNEが有意に上昇、脾臓摘出6ヶ月では肝臓の線維化が観察され、脾臓摘出は肝臓における炎症性サイトカインの発現亢進、酸化ストレスの増加を介して、過栄養性脂肪肝から脂肪性肝炎への進展を助長することを見出した。平成25年度には、高脂肪食負荷したマウスとIL-10欠損マウスを用いて、脾臓摘出により過栄養性脂肪肝から脂肪性肝炎への進展は脾臓由来のIL-10の低下により引き起こされていることを発見した。平成26年度には、生理的な肥満症モデルとして摂食リズムを障害したモデルを作成した。C57BL6Jマウスに普通食ならびに高脂肪食を暗期に摂食させたマウスの摂食量を定量し、それぞれ同量を明期にのみ摂食させたペアフェッドマウスの4群を構築した。普通食の明期摂食群では、初期から有意な体重増加を示し、高脂肪食の暗期摂食群と全く変わらない体重増加を示した。レプチン値、インスリン値、褐色脂肪組織の白色脂肪化も同調しており、摂食リズム障害はエネルギー消費系の低下をきたし体重増加に寄与することが判明した。一方で、普通食の明期摂食群は脂肪肝を呈しておらず、8-oxoG、ogg1の有意な変化は観察されなかった。
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