健常な高齢者と男子大学生を対象として、血小板血栓形成において、分子糊として「向」血栓へと作用するVWFとVWFを特異的に切断する働きで「抗」血栓へ作用するADAMTS13をとりあげ、日内変動・季節変動ならびに、それを修飾する老化の影響について検討した。その結果、VWFはすべての季節、時間帯において高齢者で高値を示し、冬季の午前中に最も高くなる傾向がみられた。一方、ADAMTS13は高齢者で低く、とくに冬季の午前中に最も活性が低値を示す傾向がみられた。これらの結果は高齢者において冬季、とくに午前中のスポーツ活動には、より血小板血栓形成の起こりやすい状況をもたらしていることを示唆している。
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