研究課題
【研究の目的と当初の計画】2型糖尿病患者の治療継続アドヒアランスに関連すると考えられるQOLが、いかなる因子とより関連が深いかを睡眠、身体活動度、家族関係に関するアンケートをQOLに関するアンケートと並行して行い、比較検討する。【実際に施行した研究内容】23年度に外来通院している2型糖尿病患者 300数十名にアンケートを施行した。24年度は主にこれらのアンケート調査の解析を行った。行ったアンケートの内容は、DQOL、DTSQ、ウェルビーイング、DFBCに加え、日常生活の活動度を見るためにIPAQ、睡眠の質と量の把握の目的でピッツバーグ睡眠質問票、昼夜生活リズムの状況を見るためのMorning Evening Questionaire (MEQ)でこれらの膨大なデータを解析した。並行して日本語のvalidationがまだ行われていないDQOL日本語版の作成を行い、本研究の論文化する礎とした。【解析結果】得られたデータより、各アンケート回答結果間あるいは血糖コントロール指標などとの相関関係について統計的分析を行った。これらの解析より、QOLの低下と生活活動度や睡眠の質や量に強い関連性が認められた。血糖コントロール指標であるHbA1cと睡眠量に強い相関関係があったがこれは海外の既報とほぼ同様の結果であった。一方、睡眠の量とは独立して従来睡眠の量や質との関連が考えられている昼夜のリズム(MEQ)がその量や質とは独立してDQOLやHbA1cとの有意な関連性があることが示された。このような報告はこれまでに全くなく臨床的意義は極めて高い。今後は横断的研究だけでなく前向きの研究を検討中である。具体的には糖尿病短期教育入院時のアンケート調査を行い問題となるアンケート結果を得た患者に対する教育、指導法の確立を目指す。
2: おおむね順調に進展している
検討したアンケート調査の解析により、睡眠を始めとするQOLに関わる因子が解明されてきており、本年度はその論文化も達成した。おおむね順調に進展しているといって良いと考える。
2型糖尿病治療のアドヒアランスに影響するウェルビーング、DQOLの関連因子として、睡眠時間、睡眠のサーカディアンリズムなどが重要であることが多数例のアンケート調査の結果より判明した。これらのデータを正しく解析し、論文化も終了したため、今後は介入効果の検討に入りたい。
24年度は研究代表者の所属施設が異動となったため助手雇用ができず、人件費分の研究費が未使用となった。25年度はすでに研究助手の雇用が確定しておりこれを中心に下記の研究費使用を計画中である。物品費 300,000円旅費 0円 人件費・謝金 1,500,000円 その他 500,000円,計2,300,000
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Journal of Diabetes Investigation
巻: 4 ページ: 376-381
10.1111/jdi.12047