研究課題/領域番号 |
23500857
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
佐藤 文彦 順天堂大学, 医学部, 助教 (10445538)
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キーワード | 耐糖能障害 / 異所性脂肪 / インスリン抵抗性 / インスリン分泌 |
研究概要 |
(目的)ダブルトレーサー法により、食後高血糖の原因について検索する。 (対象)NGT、IGTおよび2型糖尿病 (方法) 同意が得られた被験者に対して一次スクリーニングとして経口糖負荷試験を行い、条件を満たす症例を登録する。その後、以下に挙げるパラメーターについてデータを収集する。身体活動量はライフコーダー及び質問紙(IPAQ)、食事内容(DHQ)、睡眠(ピッツバーグ睡眠テスト)は質問紙により検討する。検査前日21時から絶食とし以下の検査を行う。体脂肪量の測定、1H-MRS法による前脛骨筋・ヒラメ筋・肝臓における細胞内脂質の定量、MRIによる腹腔内脂肪・皮下脂肪量の定量を行う。ダブルトレーサー法による糖負荷後の糖の動態を測定する。静脈投与用として、[6,6-2H2]-glucoseを用い、経口投与用として[13C6]-glucoseを用いる。2時間の[6,6-2H2]-glucoseの静脈投与後に、1%の[13C6]-glucoseを含むブドウ糖75gを経口摂取させ、その後30分おきに採血をして血清分離する。得られた検体についてGC-MSを用いてそれぞれの安定同位体の血中濃度を測定し、各代謝パラメーターを算出する。 (結果)NGTに対して、IGT、2型糖尿病では、糖負荷後の有意な血糖値の上昇を認めたが、その原因として肝臓からの過剰な糖放出、肝糖取り込みの低下が強く関与していること、それに伴って肝臓における脂質蓄積が生じていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度のデータベース解析に引き続き、本年度は日本で初めて行われるダブルトレーサー法について、その検出率などを検討して、おおむね妥当な結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、継続して、ダブルトレーサーを用いた検討と共に、クランプ法により臓器別のインスリン抵抗性を評価し、論文作成を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
クランプ試験やダブルトレーサー試験における解析費用、安定同位体購入費や被験者への謝金などに充てる。
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