本研究は、短期集中型高地トレーニングに焦点を絞って、末梢血液循環の動態、動脈硬化度に及ぼす効果について明らかにするとともに、自律神経系(交感神経及び副交感神経のバランス)の変化からも検討した。その結果、中高年者に対する標高1500m前後に相当する低圧低酸素環境下における2日間の歩行運動は、運動終了後の翌朝において、自律神経活動の適切な反応(健常型)がみられ、末梢血液循環を一時的に改善することが示唆された。週末を利用した「高地ウォーキング」は、定期的に継続すると安静時の自律神経系及び末梢循環を比較的早期に改善することが期待できると示唆された。
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