研究課題/領域番号 |
23500861
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
萩 裕美子 東海大学, 体育学部, 教授 (20237902)
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研究分担者 |
川西 正志 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (50177713)
山本 直史 愛媛大学, 教育学部, 講師 (40552386)
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キーワード | 閉経後女性 / 筋力低下 / 運動プログラム / 継続支援 |
研究概要 |
研究目的は①運動プログラムの開発(昨年度実施済)②長期的な効果検証(1年~2年)③継続的な運動実践に有効であったかどうかの検証であった。平成24年度は主に②を中心に行った。 実施計画では、引き続き支援プログラムを継続する登山愛好者グループと、測定だけを行う登山愛好者グループを分けて支援プログラムの効果を判定するため、1年後のデータをとった。さらに比較対象群として登山愛好者ではない同年代の一般女性グループを設定した。それらの対象者に同様の運動プログラムを3ヶ月間実施し、その前後の身体計測、体力測定、血液検査等を行った。これは一般女性に対しても運動プログラムの介入効果があるのかどうかを検証するためのものである。さらにベースラインデータは登山愛好者の対象群としても取り扱うことにした。 平成24年度の成果としては、論文2本、発表は4件である。論文は「閉経後女性の登山愛好者とウォーキングクラブ参加者における日常生活での身体活動、および下肢筋厚の比較」というテーマで生涯スポーツ学研究、9巻1,2号に掲載された。関連論文として「成人女性における腹囲変化量の予測因子の検討」肥満研究、18巻3号に掲載された。 発表については、日本体育学会第63回大会(神奈川県)で2件「中高年女性における登山と日常の定期的な運動継続との関連」「中高年女性登山愛好者の日常の主観的歩行速度と身体組成および筋肉量との関連」を発表した。また、第67回日本体力医学会大会(岐阜県)で「山筋ゴーゴー体操が若年者の筋厚・筋量に及ぼす影響について」を発表した。さらに、日本生涯スポーツ学会第14回大会(広島県)で「登山愛好者である中高年女性の身体組成および体力の3年間変化」を発表した。この発表は本研究の直接的な発表ではないが、深い関連を持つものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的は①閉経後女性を対象とした筋力低下を予防する運動プログラムを開発する。②開発した運動プログラムの長期的な実施効果を検証する(検証期間1年~2年)。③行動変容理論に基づいた自立を促す支援プログラムが、長期にわたる継続的な運動実践に有効であったかどうかを検証する。(検証期間2年)ことであった。 平成24年度は主に②を中心に行ったが、1年後及び2年後の身体測定、体力測定、血液検査についての測定は順調に実施することができた。 平成24年度の実施計画では、引き続き支援プログラムを継続する登山愛好者グループと、測定だけを行う登山愛好者グループを分けて支援プログラムの効果を判定するため、1年後のデータをとる計画であったので、概ね実施できた。 さらに比較対象群として登山愛好者ではない同年代の一般女性グループを設定し、それらの対象者に同様の運動プログラムを3ヶ月間実施することができた。その前後の身体計測、体力測定、血液検査等を行うことができたので、一般女性に対しても、本研究で開発した運動プログラムが、効果があるのかどうかを検証することが可能になった。さらにベースラインデータは登山愛好者の対象群として活用することが可能になった。この対象群のデータ収集は、平成23年度にはできずに残された課題であったが、平成24年度に実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の結果を受けて、計画を調整する予定だが、基本的には昨年度と同様に引き続き支援プログラムを継続するグループと、測定だけを行うグループについて2年後の測定を実施する。これは既に5月19日に予定をしている。これもベースラインと同様の項目で実施する予定である。 本研究の目的である、筋力低下予防プログラムの実施効果の2年目を検証する。併せて支援プログラムの有効性についても検証する。また、登山愛好者と一般女性と実施効果の違いがあるのかどうか、身体的変化、生理的変化、体力的変化だけでなく、運動プログラムの実施率も併せて比較検討を行う。予定では6カ月後の測定を行う予定であるが、対象者の負担を考えて検討する。難しい場合には1年後に焦点を合わせて確実に実施していく予定である。 また、これまでの研究の結果では、登山愛好者の日常の身体活動は、同年代の一般女性よりも活発であることことが推測されたので、登山を愛好することによる影響について、対象を広げて調査を行う予定である。 これまでの過程の段階でも学会発表はしてきているので、それらについてはできる限り論文化を進めていく予定である。また、すべてのデータが整理された段階で、2年後のデータや、登山愛好者、一般女性の比較検討をまとめて学会発表を実施し、論文作成の準備を行う。 さらにこれらの研究成果を踏まえて、今回開発した運動プログラムを効果的に啓発していくための方法を検討していきたい。すでにパンフレットは作成しているが、より効果的なものにするために再考し、さらにわかりやすくするために啓発用DVDの作成も検討していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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