本研究では、生活資源の概念整理と合わせて経済的資源のみに偏重しない総合的な生活資源管理の展開を目指し、とくに高校生の時期の生活設計教育の方向性を検討することを目的としている。 昨年度までは、高校生を対象に実施した調査をとりまとめる作業をおこなっていたが、本年度はその結果を社会に還元するために、関連学会にて報告を行った。内容としては、生活資源の概念について改めて整理したうえで、高校生を対象に調査を実施し、高校生がそれぞれの生活資源についてどのように考えているのかを確認することで、高校生の時期の生活資源管理の方向性を提案するというものである。調査においては、高校生の時点で将来についての意識の違いが明確に判断できるものとして、「就職希望」「進学希望」の2つの進路との比較を試みた。その結果今回の調査では進路希望の違いによって明確な相違は見出しにくかったものの、生活資源の学びの時期には理想と現実とのずれもあることが確認できるなど、今後の高校での生活設計教育の導入に有意な方策の提案が可能となった。
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