1980年代以降、来日し定住する外国人が増加し、アジア出身者や南米出身者と共にガーナやナイジェリア、カメルーン、セネガルなどのアフリカ地域出身者の来日も増加した。これは、職場や地域においてアフリカ出身者と共に生活するという、日本の人々や日本社会にとって初めての経験をもたらした。初期の来日から四半世紀が経過し、結婚、二世の誕生などを経て、母国へ帰国する人や母国と日本を往来する人も増える一方、日本に定住するアフリカ出身者も増えた。今後は、子の独立、退職、高齢化といった新たなライフステージを迎えることになる。 本研究のねらいは、在日アフリカ出身者が特有の生活問題や健康問題をもち得ることから、その現状と背景を把握すると共に、在日経験を通じてみえる日本人や日本社会を描くことにある。 今年度は、これまで実施したインタビュー結果を整理してまとめる作業に努めたが、一方でエボラ出血熱やイスラム国関連などアフリカやイスラム関連の報道が増えたことから、彼らの日本での生活への影響は大きいと考えられたため、追加でヒアリングを行った。
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