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2011 年度 実施状況報告書

染色体異常のある子どもの保育―心疾患の影響―

研究課題

研究課題/領域番号 23500893
研究機関東京家政大学

研究代表者

高野 貴子  東京家政大学, 家政学部, 教授 (50236246)

研究分担者 赤木 美智男  杏林大学, 医学部, 教授 (40167812)
高木 晴良  帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90187930)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2016-03-31
キーワードダウン症候群 / 先天性心疾患 / 性差
研究概要

(1)A専門外来カルテ情報の収集と解析 研究代表者が診療を行っているAクリニック「ダウン症療育相談外来」の開設時(1987年)以降のカルテの患者情報を収集し、PC入力した。総数272人中、ダウン症候群患者(DS)は249人(男136人、女113人)で、今回はDSに限定して解析した。先天性心疾患を合併している男は54人(40%)、女は56人(50%)であり、有意な性差はみられなかったが、先天性心疾患の合併患者の中でも心臓手術を受けた割合は男の16%、女の26%と女で有意に高く(Mantel-Haenszelのカイ二乗検定でP=0.04)、女が男より心臓手術が必要となるような重症患者の割合が高い可能性が考えられる。さらに心疾患の種類別に個別に検討すると、心房中隔欠損症、心房中隔欠損症と肺高血圧合併はいずれも有意に女に多かった(有意確率はそれぞれp=0.018, p=0.030)。心室中隔欠損症、ファロー四徴症、心内膜床欠損症、動脈管開存症、心室中隔欠損症と肺高血圧合併については有意な性差が認められなかった。(2)大学病院のカルテ情報の収集 B大学病院倫理審査委員会に本研究実施の了解を取り、369人のDS(疑いを含む)の診療情報を得た。現在DSと確定している患者のみで分析すると、何らかの先天性心疾患を合併している男は113人(63%)、女は122人(68%)であり、有意な性差はみられなかった。先天性心疾患の重症度については、現在カルテを精査中である。次いでC大学病院倫理審査委員会に本研究の審査を申請する準備を行った。(3)ダウン症候群の保護者へのアンケートの解析 次年度にダウン症候群の保護者に対して先天性心疾患の合併頻度の性差を調べるためのアンケートを行う予定である。アンケート内容の検討、対象の選定、アンケート期日の調整と連絡を行い、実施準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

一機関でのカルテ情報を入手し、249人のダウン症候群患者のデータ解析は遂行できた。しかし、各大学病院の倫理委員会に研究の倫理申請を提出し、承認を得るのに予想以上に時間がかかっている。また、病院のカルテ情報は病院ごとに電子カルテに移行しているため集計が容易であると考えていたが、先天性心疾患の重症度など必要な全ての情報が電子カルテ内に網羅されておらず、結局、患者ごとに紙カルテを調べる必要が生じている。そのため、データを得る段階で当初の予想より研究が遅れている。

今後の研究の推進方策

平成23年度に着手した大学病院の診療情報を用いて、ダウン症候群の先天性心疾患の性差について重症度も含めた解析を行う。 そのほかの関連病院の小児科医、循環器専門医、心臓外科医の診療情報を得るために、まず各病院の倫理審査委員会に研究のためのカルテ閲覧の申請を行う。次いでカルテ検索、診療データ収集、そのデータの解析に進む。 別途、ダウン症候群患者の保護者に郵送アンケートを実施し、先天性心疾患の合併の頻度とその詳細、性差を検討する。

次年度の研究費の使用計画

初年度と同様に研究代表者と研究分担者間の綿密な連絡、打ち合わせ会議のほか、研究協力病院への出張などの経費が発生する。また次年度は、東京都と静岡県のダウン症候群の保護者に対して先天性心疾患の合併頻度の性差を調べるためのアンケート調査に経費がかかる。アンケートの規模は800人以上を予定しており、アンケートの印刷、封筒、切手などの経費のほか、アンケートの郵送や返信結果のPC入力のための人件費が必要である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] ダウン症候群の保育、療育、就学、就労、退行、医療機関受診の実態2011

    • 著者名/発表者名
      高野貴子、高木晴良
    • 雑誌名

      小児保健研究

      巻: 70 ページ: 54-59

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Down症候群2011

    • 著者名/発表者名
      高野貴子
    • 雑誌名

      小児内科

      巻: 43 ページ: 1461-1463

  • [雑誌論文] ダウン症―最近の話題― 臨床像2011

    • 著者名/発表者名
      高野貴子
    • 雑誌名

      小児科臨床

      巻: 64 ページ: 2103-2108

  • [学会発表] 先天性疾患のtransition care―ダウン症候群をモデルとして―2012

    • 著者名/発表者名
      高野貴子
    • 学会等名
      第14回東京大学小児医学研究会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2012年2月4日
  • [図書] 子どもの病気 理解と接しかた2012

    • 著者名/発表者名
      高野貴子
    • 総ページ数
      289
    • 出版者
      医学出版社
  • [図書] 小児科学 改訂第10版2011

    • 著者名/発表者名
      高野貴子、小崎健次郎
    • 総ページ数
      1141
    • 出版者
      文光堂
  • [図書] 小児科診療ガイドライン 第2版2011

    • 著者名/発表者名
      高野貴子
    • 総ページ数
      558
    • 出版者
      総合医学社

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公開日: 2013-07-10  

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