研究課題/領域番号 |
23500893
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
高野 貴子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (50236246)
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研究分担者 |
赤木 美智男 杏林大学, 医学部, 教授 (40167812)
高木 晴良 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 講師 (90187930)
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キーワード | ダウン症候群 / 先天性心疾患 / 性差 / 心臓手術 |
研究概要 |
染色体異常児の中でダウン症候群患者に絞り、外来カルテ調査と保護者へのアンケート調査を実施し、先天性心疾患の有無および心臓手術の有無を指標とした先天性心疾患の重症度の性差を検討した。平成24年度に引き続き、新たに協力病院(D)を得た結果、調査対象は(A)「ダウン症療育相談外来」255人、(B)大学病院188人、(C)大学病院47人 、(D)大学病院186人、(S)S県の親の会アンケート129人、(T)都内幼児教室卒園者アンケート128人の6種類となった。病院4施設(A、B、C、D)の総数667人(男341人、女326人)の中では、先天性心疾患のある男は168人(49%)、女191人(59%)であり、女の方が心疾患のある割合が有意に多かった(p=0.019)。さらに「手術が必要な心疾患あり、手術が必要でない心疾患あり、心疾患なし」の3段階にして検討すると、「心疾患なし」では、男173人(51%)、女135人(41%)と男が多いのに対して、「手術が必要でない心疾患あり」では、男77人(23%)、女70人(21%)と男女がほぼ等しくなり、「心臓手術が必要な心疾患あり」では、男91人(27%)、女121人(37%)と、女の方が有意に多くなっていた(Mantel-Haenszelのカイ二乗検定でp=0.003)。このことから女の方が重症な傾向があることが分かった。アンケートを含めた6種全ての有効データ総数は923人(男487人、女436人)となり、その中で先天性心疾患のある男は237人(49%)、女252人(58%)であり、やはり女の方が心疾患のある割合が有意に多かった(p=0.007)。さらにその中を3段階に分けると、「心臓手術が必要な心疾患あり」の男は126人(26%)、女は157人(36%)で、やはり女では重症な心疾患が有意に多かった(M-Hのカイ二乗検定でp=0.001)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に新たに研究倫理申請を受理された病院の電子カルテ情報を加え、4施設の病院カルテデータと2個所のアンケートデータを収集して、PC入力作業を完了した。合わせて6種類のデータを総合して解析することができた。
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今後の研究の推進方策 |
さらに協力病院を増やし、研究倫理申請ののち承認を得て、解析データ数を増やす予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度諸経費が少額で済んだため、次年度の研究経費に回した。 データ収集とその管理のための諸経費、学会出張旅費・参加費、文献収集等に用いる。
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