研究課題/領域番号 |
23500902
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
川端 博子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (70167013)
|
研究分担者 |
鳴海 多恵子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90014836)
生野 晴美 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80110732)
|
キーワード | 授乳ブラジャー / 衣服内気候 / 汚れの洗浄性 / 着用評価 / 授乳服 / 微生物 / 母乳パッド |
研究概要 |
出産を機に女性の衣生活は大きく変化する。殊に母乳授乳期については、体型の変化、衣服の調達の不便、外出先での母乳授乳の不便などがあるが、一時のこととして未解決のままであり、被服学においてもほとんど研究がなされてこなかった。一連の研究により、授乳期の補整下着とパッドに焦点をあて、調査と実験の手法により現状把握と解決に向けた示唆を得ることができた。 初めに、母乳育児を経験した母親を対象に、授乳用補整下着の利用実態を調査したところ、形態適合性・デザイン性・耐久性に問題を感じていることが明らかとなった。調査をもとに利用度の高い授乳機能の補整下着を4種選定し、授乳期の女性14名に一定期間の着用後に授乳機能を評価をしてもらうとともに、テスト品の耐久性を調べた。授乳用補整下着は速やかに授乳ができる点で評価が高いが、留め具の開閉に不便を感じて留め具を利用しない人もいた。着用数回でほころびが生じる、着用15回でアンダーや肩ひものサポート性が低下する製品もあり、耐久性には問題があった。 衛生的側面からは、パッドの交換頻度は日に1、2回で、母乳付着量は多いもので10gを超えた。夏季の事例では、パッド内部の温度・湿度は、36℃湿度90%を超えることもあり、高温・多湿であった。また、粉ミルクで代用した汚れの表皮ブドウ球菌の繁殖状態を調べたところ、付着量が多いとき6時間を目安とする交換が望ましいことが明らかとなった。 洗浄性の実験からは粉ミルクは洗濯では落ちにくい汚れであり、綿に付着するとポリエステルより落ちにくいこと、洗剤につけ置きするとよいことが明らかとなった。
|