研究課題/領域番号 |
23500923
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研究機関 | 大妻女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
土肥 麻佐子 大妻女子大学短期大学部, 家政科, 准教授 (60553542)
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研究分担者 |
増田 智恵 三重大学, 教育学部, 教授 (60132437)
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キーワード | 人体の3次元形状 / デジタル3Dボディ / 衣服設計 / 体型 / 3次元形状計測 / 相同モデル / カスタマイズ / オンデマンド |
研究概要 |
消費者の好みのデザインの量産服を安価にオンデマンドにカスタマイズすることができる「量産衣服用デジタル仮縫い工房」の開発を最終目標に、日本人の体型を部位別に体型分類していくつかのタイプの3次元平均形状モデルのデータベースを構築し、消費者が自宅で簡単に取得できる自分情報から3次元形状タイプを推定できる仕組みを作ることを目的とする。カスタマイズするためには人体そのものの3次元形状ではなく、衣服の着装を想定した3次元形状モデルに置き換えて体型分類することが必要と考え、昨年度人体体幹部の3次元形状を凸閉包形状に変換して相同モデル化するソフトを開発した。凸閉包形状モデルは、衣服用のデジタル3Dボディを想定したものである。 今年度はこのソフトを用いて21~35歳の日本人女性55名を対象に体幹部を相同モデル化して主成分分析し、衣服設計に重要な体型要因を抽出した。解析対象は産業技術総合研究所RIO データベースで公開されている日本人成人女性の3次元形状データ48名分と、昨年度三重大学で計測した7名分である。この結果4つの主成分軸で形状の82.6%を説明することができた。第1軸は肥った反身体と細身の屈身体、第2軸は身体の厚径が厚い形状と薄い形状、第3軸は左右差、第4軸は肩の傾斜を表す軸と解釈できる。さらに具体的な衣服設計に結びつけるためには、3次元凸閉包形状を平面展開図に置き換えて分布を検討する必要があると考え、3次元形状展開ソフト「DressingSimEX」(デジタファッション社製)のライセンスをレンタルし、体幹部の凸閉包形状をコンピュータ上で平面展開する手法の検討をはじめている。 また、主として3次元形状計測を担当している研究分担者の増田と共に、昨年度に引き続き衣服設計に活用できるランドマークの付け方や計測ポーズについて検討中である。大量計測のプロトコル作りに活用する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の交付申請時の目的は、「日本人の体型を部位別に体型分類していくつかのタイプの3次元平均形状モデルのデータベースを構築し、消費者が自宅で簡単に取得できる自分情報から3次元形状タイプを推定できる仕組みを作ること」である。 昨年度体幹部の凸閉包形状を相同モデル化するソフトを開発し、今年度日本人女性55名の体幹部の相同モデル化と解析を行って個人差をあらわす特徴軸を調べた。現在衣服パターン形状を考慮した体型タイプ分類へ向けての検討をしている。体幹部のみの検討であり年代も21~35歳も限られているが、データベースの構築方法に向けては概ね順調に研究が進展していると考えている。しかし、当初の予定を変更して体幹部の3次元形状を相同モデル化するソフトの開発よりはじめたため、大量データの計測に至らず3次元形状を推定するところまでは具体的には研究が進んでいない。このためやや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度解析した体幹部の3次元凸閉包形状を平面展開図に置き換えて分布を調べる検討をさらに進め、日本人女性の身体特性をあらわすいくつかの凸閉包形状モデル(デジタル3Dボディ)の平均形状を提示するための研究を行う予定である。平面展開したパターンを座標変換して解析することにより、3次元形状の平面展開図の特徴軸を明らかにする。さらに平面展開図の分布を体幹部の3次元凸閉包形状に再度置き換えて平均形状を解析することにより、衣服設計に活用できるデジタル3D ボディ開発の手がかりとしたい。平面展開図に基づく分類を行うことで、簡単な計測項目などの自分情報とデジタル3D ボディとの関連も明らかになるのではないかと推測している。体幹部に加えて腰部形状を3次元凸閉包形状に置き換えて相同モデル化するソフトの開発にも取り組み、体幹部と同様の解析を行うことにより、胴部原型とスカート原型に対応するデジタル3Dボディを開発するための基礎としたい。 上述したように当初の予定より研究の進展が遅れているため、計画を変更して、21~35歳の女性55名前後を対象にした小規模の検討とし、研究手法の確立をめざしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は前年度開発したソフトを用いて3次元形状データの解析をおこなったため、支出は3次元形状展開ソフト「DressingSimEX」のレンタル料を含む199806円の支出のみとなった。次年度はコンピュータ上での3次元形状の平面展開、および腰部形状を3次元凸閉包形状に置き換えて相同モデル化するソフトの開発など研究ツールとして必要なソフトの開発と、本研究のまとめとなる成果発表用に研究費を使用する予定である。
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