大麦をとう精した丸麦は加熱加工を伴う押麦や米粒麦と異なり炊飯中の酵素作用が期待される。85% 、60%とう精丸麦、押麦を試料とし、90%とう精白米と比較して麦飯の糖の生成および内在性酵素作用について検討した結果、とう精丸麦のデンプン分解活性が米より高く、米との混炊においてそれぞれの単独炊飯よりも多くの還元糖が生成することが明らかになった。大麦のアミラーゼが米および大麦のデンプンを分解し、米のグルコシダーゼが作用しやすくなり、混炊飯の還元糖、特にグルコースが増加することが示唆された。大麦は嗜好的には単独より米との混炊が好ましく、大麦40%の混炊飯は粘りがやや少ないながら官能評価により受容された。
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