研究課題/領域番号 |
23500926
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
加藤 邦人 岐阜大学, 工学部, 准教授 (70283281)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 画像処理 / 天ぷら / おいしさ評価 / 調理評価 / パターン認識 |
研究概要 |
天ぷらの調理法は非常に困難で、非熟練者がおいしく揚げることは難しい。天ぷらのおいしさの要素として衣のさくみ等があるが、おいしい衣を作るためのメカニズムは詳しく解明されていない。その理由の一つに、油中における衣形成のリアルタイム観測の難しさが挙げられる。そこで本研究では、画像処理技術を用いて衣形成過程を解析し、衣の水分蒸発量の推移を高精度で定量化する。さらに、できあがりの衣の形状特徴についても画像解析し、天ぷらをおいしく揚げるための要因を画像処理結果と調理科学的知見に基づいて明らかにすることを目標とする。調理過程解析では、揚げ調理中の画像を撮影するための最適なカメラ、照明条件など、撮影方法の確立を行い、撮影された気泡、油面の揺らぎ情報からどのように画像特徴を抽出するかの検討を進めた。また、一定時間間隔での水分蒸発量の推移を実測し、基礎データを得ることができた。さらに、できあがり評価では、できあがった天ぷらから衣を壊さず分離することが難しいため、安定して画像計測ができる衣サンプルの取得方法を確立し、衣の画像処理に適した透過照明装置とカメラの選定、ならびに計測システムの開発を行った。また、画像処理による、衣の凹凸特徴の抽出法の開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度8月末より、在外研究によりアメリカ、メリーランド大学への1年間の留学が決まったため、計画にやや遅延が起こった。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度では、水分蒸発量の推移計測方法を確立し、条件を変化させての実験、計測を行う。同時にできあがり評価を行い、調理過程とできあがり評価の相関関係を解明する。調理過程解析では、画像特徴量と一定時間間隔での水分蒸発量の推移データより、画像処理による水分蒸発量推移計測法を開発する。また、同時に調理条件を変化させ撮影実験、計測を行い、水分蒸発量推移計測法の検証を行うとともに、どのような水分蒸発過程をとるのがよいのか定量的評価を行う。できあがり評価では官能検査を行い、おいしい衣の条件を決定する。衣の物性測定を行い、その結果と衣の画像処理による凹凸特徴との相関関係を求め、衣のおいしさの定量的評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験結果の大量の画像データを記録するファイルサーバを備品として申請する。消耗品として実験システムの保守、改良用電子部品、実験資料、ならびにサーババックアップ記録メディアを計上する。調査、情報収集、研究協力者との打ち合わせ、ならびに成果発表旅費を計上し、サーバ構築のための人件費を申請する。また、ViEW2012等国内の研究会、ならびにECCV2012、FCV2013国際会議他にて調査研究、成果発表を行う。
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