研究課題/領域番号 |
23500926
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
加藤 邦人 岐阜大学, 工学部, 准教授 (70283281)
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キーワード | 調理解析 / 共起画像特徴 / できあがり評価 / 動画像処理 / てんぷら |
研究概要 |
まず、てんぷらの調理過程解析の研究として、油面の泡立ち動画像から得られた画像特徴量と、一定時間間隔での水分蒸発量の推移データの計測より、画像処理による水分蒸発量推移計測法の開発を行った。 画像特徴は、調理過程の油面の泡立ち、油面のゆらぎなどを共起行列特徴を用い評価した。また、撮影と合わせ調理過程での水分蒸発量の計測から得られたデータとの関係を見ることで、水分蒸発と油面の画像特徴に相関があることを見出した。 また以上の方法を、調理温度条件(160度、180度、200度)を変化させ撮影実験を行い、計測を行った。また、水分蒸発量推移計測法の検証を行うとともに、どのような水分蒸発過程をとるのがよいのか定量的評価を行った。結果、これら3つの温度の変化で画像特徴に大きな違いがあらわれることを確認し、油の中で起こっている天ぷらの頃も変化の仮説に照らし合わせ、それぞれの段階と画像特徴に関連がみられることから、本手法の有効性が確認できた。 続いて、てんぷらのできあがり評価について、官能検査を行い、おいしい衣の条件を決定し、また衣の物性測定を行った。さらに、できあがりの衣を透過照明装置で撮影することで、温度変化で衣画像に変化が起こることを確認し、その画像から凹凸特徴である、テクスチャ特徴量を抽出することで、先の官能検査、物性測定との相関関係が期待されることを発見した。 これらより、調理過程の解析、並びにその結果から得れたできあがりの衣を画像特徴として定量的に評価する基盤が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した画像処理技術の開発、ならびに撮影方法、官能検査方法、物性測定方法は順調に達成し、一定の結果を得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
構築した画像処理、物性測定での定量評価法を検証するため、油温、衣の材料の配合等のパラメータを変え各種実験を行う。 これにより得られたデータより、統計的手法を用い、調理過程、ならびに衣の画像特徴から相関を求め、天ぷらのおいしさ指標の確立を行う。 そのために、さらに各種実験を行い、さらに最適な統計法の研究を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
調理科学実験、画像処理実験を行うための実験用ノートPCを備品として申請する。消耗品としてサーバ保守、改良用電子部品、実験資料、ならびにサーババックアップ記録メディアを計上する。調査、情報収集、研究協力者との打ち合わせ、ならびに成果発表旅費を計上し、サーバ構築のための人件費を申請する。また、国内の研究会、ならびにFCV2014等国際会議にて調査研究、成果発表を行う。
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