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2013 年度 実績報告書

食品に有用なナノサイズエマルションの省エネな調製のための基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 23500930
研究機関香川大学

研究代表者

合谷 祥一  香川大学, 農学部, 教授 (00153742)

キーワードナノエマルション / 省エネルギー / ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル / 状態図
研究概要

申請者は、最終年度は、重合度の高いポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(PGPR:CRS-75)と脂肪酸鎖が短いデカグリセリンモノカプリン酸エステル(DGMCA)、デカグリセリンモノカプリル酸エステル(DGMD)及びデカグリセリンモノミリスチン酸エステル(DGMM)それぞれの1:1混合系について、それぞれ状態図を作成し、乳化性との関係を調べた。
その結果,PGPRとDGMCA及びDGMDを1:1で混合して調製した場合は、組成によって相の数が4種類以上の場合が多くの領域で現れるなど、非常に複雑な状態図を示した。これは、DGMCA及びDGMDの脂肪酸鎖が短く、疎水性が低いため、疎水性の高いCRS-75との親和性が低く、乳化剤同士の凝集体を形成しにくいためと考えられた。また、省エネな乳化を試みたが、微細な粒子を含むエマルションは得られなかった。これも、乳化剤の凝集体形成が起こらなかったためと考えられた。
一方、PGPRとDGMMの1:1混合系では、平成23年度に報告したPGPRとデカグリセリンモノラウリン酸エステル(DGML)の1:1混合系とPGPRとヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル(HGML)の1:1混合系の間になる様な状態図を示し、明確なスポンジ構造とスポンジ及びラメラ構造の共存状態が観察された。そしてこれらに状態を通過して乳化すると、30~40nmの微細なエマルションが調製された。
研究期間を通じてまとめると、食品用乳化剤であるPGPRとポリグリセリン脂肪酸エステル混合系で省エネな乳化を行うと、脂肪酸酸鎖がラウリン酸及びミリスチン酸のポリグリセリン脂肪酸エステルとPGPRの混合系がスポンジ状態やラメラ状態の凝集体構造を形成し、その構造がナノサイズのエマルションの生成に必要であることが明らかになった。これは、食品工業界における乳化について大変有意義な結果である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Phase behavior and formation of O/W nano-emulsion in vegetable oil/Mixture of polyglycerol polyricinoleate and polyglycerin fatty acid ester/water systems2014

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Wakisaka, Masami Nakanishi, Shoichi Gohtani
    • 雑誌名

      Journa of Oleo Science

      巻: 63 ページ: 229-237

    • DOI

      10.5650/jos.ess13139

    • 査読あり
  • [学会発表] Preparation of o/w nano-emulson in mixture surfactant system by low energy method2013

    • 著者名/発表者名
      Shoichi Gohtani, Satohi Wakisaka
    • 学会等名
      2nd Finnish-Japanese Symposium, Nano-emulsion and encapsulation for delivering functionality in foods
    • 発表場所
      高松市
    • 年月日
      20130927-20130927
    • 招待講演
  • [学会発表] PGPRを用いたO/Wナノエマルションの調製に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      脇坂聡、合谷祥一
    • 学会等名
      日本食品科学工学会第60回記念大会
    • 発表場所
      実践女子大学
    • 年月日
      20130829-20130831

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公開日: 2015-05-28  

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