研究課題/領域番号 |
23500938
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
藤井 恵子 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (20186480)
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研究分担者 |
藤井 智幸 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40228953)
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キーワード | アマランサス / ホワイトソルガム / 雑穀 / 物性 / パン / グルテンフリー / 官能評価 / 製パン性 |
研究概要 |
【目的】雑穀粉は、グルテンフリー食材として小麦アレルギー対応食品への利用が期待されているだけでなく、現代人に不足しがちなミネラル・食物繊維を豊富に含むため、健康志向に対応した食材としても注目されている。本研究では2種の雑穀粉を混合してパンを調製し、粉体特性が製パン性に与える影響を検討した。 【方法】雑穀粉としてアマランサス粉とホワイトソルガム粉を用い、混合割合を25%ずつ変えてパンを調製した。雑穀粉、ドライイースト、ショ糖、食塩、オリーブオイルを材料とし、200℃で30分間焼成し雑穀粉パンを調製した。粉体特性として、粒度分布、たんぱく質・脂質・アミロース含量、でん粉損傷度、吸水性を測定した。生地については、粘性率、動的粘弾性、糊化特性を調べ、パンについては、比容積、力学物性値、水分含量、色度を測定し、製パン性に及ぼす影響を検討した。さらに官能評価を行い、保存性についても検討した。 【結果】アマランサス粉はホワイトソルガム粉に比べ、粒径が大きく、でん粉損傷度とラピッドビスコアナライザーによる糊化最高粘度は小さかった。また、吸水速度は遅かった。アマランサス単独で調製したパンの最適加水量は110%で、ホワイトソルガム単独で調製したパンでは130%であった。ホワイトソルガム粉にアマランサス粉を25%混合した場合、加水量を粉重量比で70~160%とすると製パンが可能であった。最適加水量は100%であった。このパンはホワイトソルガム単独パンに比べ軟らかく、内相にべたつきが認められた。粉のアミロース含量とパンの硬さの間には正の相関がみられ、アミロース含量の多いホワイトソルガムの配合割合が増加するほどパンは硬くなり、でん粉の老化も速くなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画①雑穀粉パンの生地の特性の評価(日本女子大学藤井)については、アマランサス、ホワイトソルガムを用いて雑穀粉生地の粘度、動的粘弾性を測定し、製パンに適した雑穀粉パンの生地の特性を明らかにした。 ②雑穀粉パンの加工技術の開発(日本女子大学藤井)については、アマランサス、ホワイトソルガムパンについて検討し、雑穀粉パンの最適加工方法を明らかにした。 ③雑穀粉パンの物性・品質の評価(日本女子大学藤井)については、アマランサス、ホワイトソルガムパンの、比容積、内相のきめ、硬さ、弾力性、水分含量を測定し品質を評価した。 ④栄養バランスの優れた雑穀粉パンの開発(日本女子大学藤井)については十分な成果を得るには至っていないが、平成25年度に継続して行う予定である。 ⑤雑穀粉/タンパク質複合素材中のタンパク質の存在状態の解析(東北大学藤井)については十分な成果を得るには至っていないが、平成25年度に継続して行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成23、24年度はアマランサス粉、ホワイトソルガム粉を用いて、粉体特性の評価およびパンの加工技術の開発を行い、雑穀粉パンの物性を明らかにし、品質評価を行った。 平成25年度はこれらの結果をふまえ、雑穀粉パンの受諾性について検討し、製品化のための性能・特性の把握を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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