研究課題/領域番号 |
23500944
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
木村 万里子 神戸女子大学, 家政学部, 准教授 (00351932)
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キーワード | オリゴ糖 / 雑豆 / 糖鎖 / 低利用資源 / 機能性食材 |
研究概要 |
本研究は,「雑豆由来オリゴ糖鎖の機能性開発と食品への応用」の観点から,食用種子中に含まれるオリゴ糖鎖のプロバイオティクス機能,免疫賦活化機能,免疫抑制機能等を探索し,それら機能性糖鎖を食品開発に応用することを目的としている。 平成25年度は,神戸女子大学に異動したこともあり,実験環境を整備する必要があったため,当初計画を十分に遂行することはできなかった。しかし,以下1~5に述べる研究の進展があった。 1.プロバイオティクス活性を有するオリゴ糖画分(酸性糖および中性糖)を,小豆および手亡(白インゲン豆)から多量に調製する方法の検討を行った。2.植物種子由来の抗原性糖鎖とポリグルタミン酸(PGA) とのネオグリコポリマーの合成については,オリゴ糖鎖の還元末端をアミノ化することで,効率的なPGA-オリゴ糖鎖ポリマーの合成法を確立することができた。3.PGA-オリゴ糖鎖ポリマーがヒト末梢血単核球上のCD80とCD86の発現を有意に抑制することを見出した。4.種子中には存在量が少ないが,ルイス a 抗原含有の糖鎖が淡水藻中で多量発現されていることを見出し,共同研究者とともに多量精製法を確立した。5.マクロファージ活性化能を有するハイマンノース型糖鎖が雑豆貯蔵タンパク質に特異的に蓄積されていることを既に明らかにしているので,より効率的な多量調製の検討を行った。 雑豆糖タンパク質に結合するO-グリカンの調製についは,実験室の立ち上げや整備に膨大な時間を要したため、ほとんど進行していないのが現状である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は,①雑豆糖タンパク質から調製した糖ペプチドと食材ポリマーからなるネオ糖ペプチドの合成と免疫活性検定,②雑豆に含まれる遊離型オリゴ糖鎖およびネオ糖ペプチドのプレバイオティクス効果,③雑豆糖タンパク質に結合するO-グリカンの構造特性解析と機能性解析の3つのテーマから構成されている。 平成25年度は,くらしき作陽大学から神戸女子大学に異動したこともあり,実験環境を再構築する必要があった。また,必要な分析機器や器具が不足していた。 以上の理由により,当初計画を十分遂行することはできなかったが,上述した①と②のテーマについては,研究実績の概要に記した通り,ある程度の研究成果を得ることができた。ただし,③の計画については,ほとんど研究を遂行することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,高いプレバイオティクス活性を示した白インゲン豆および小豆由来のオリゴ糖画分について,酸性オリゴ糖,中性オリゴ糖に分画した後,プレバイオティクス活性の本体であるオリゴ糖の詳細な構造解析を行う。オリゴ糖の同定については,新たな糖組成分析法を模索しつつ,構造解析を進めて行く予定である。 様々な機能解析を行う上で,オリゴ糖鎖の多量調製が必要となる。今後も,ゲルろ過法,イオン交換クロマト法,HPLCを組み合わせたより効率的な調製方法を検討していく。 また,免疫活性を有するオリゴ糖については,それらの生理活性を昂進させる目的で,人工糖脂質の合成を行い,有効なリポソーム調製法の確立をしたいと考えている。 研究が遅れているO-グリカンの解析についても,今年度中には研究環境が整いつつあるので,可及的速やかに研究に着手したいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は,くらしき作陽大学から神戸女子大学に異動したこともあり,実験環境を再構築すために膨大なエネルギーと時間を要した。また、必要な分析機器や器具が不足していた。 ある程度研究環境が整備されてから有効に助成金を使用するため,当初計画していた「雑豆糖タンパク質に結合するO-グリカンの構造解析および機能解析」の研究資金については,次年度に繰り越すこととした。 実験室に不足している機器や器具類は,平成26年度に獲得した学内助成金によりある程度まかなうことが可能となった。従って,昨年度に引き続き,実験を行うにあたって必要となる雑豆粉末,糖鎖調製用試薬,糖鎖構造解析用試薬,人工ポリマー合成用試薬,免疫実験用試薬など,すべて物品費にあてる予定である。
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