緑茶や野菜の緑色色素であるクロロフィルは、光により分解して退色することが知られている。本研究では、クロロフィルの光による退色防止を目的として、抗酸化物質の添加等について検討を行った。その結果、α-トコフェロール等の脂溶性の抗酸化物質にクロロフィルの光退色を防止する効果が認められたが、根本的な解決には至らなかった。一方、クロロフィルは、溶媒や共存物質により凝集体を形成することがわかった。クロロフィルは、類似の構造である銅クロロフィリンナトリウムと相互作用を行い、水-メタノール混合溶媒の水が多い状態では、混合凝集体の形成が考えられ、クロロフィルの光照射によるダメージを軽減することが示唆された。
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