研究課題/領域番号 |
23500949
|
研究機関 | 独立行政法人水産大学校 |
研究代表者 |
原田 和樹 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 教授 (60181012)
|
研究分担者 |
和田 律子 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 講師 (30351935)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 次世代食品機能性評価法 / 同時測定法 / 抗酸化性 / 抗炎症性 / スーパーオキシドアニオン・ラジカル / 細胞内カルシウムイオン / 好中球 / ふく魚醤 |
研究概要 |
申請者は、「次世代食品機能性評価法」、すなわち、免疫細胞である好中球のアナローグとしたHL60分化細胞を用いて、化学発光と蛍光を組み合わせてのスーパーオキシドアニオン・ラジカル産生と細胞内カルシウムイオンの動態の同時測定を行い、細胞内トランスダクション機構の観点から、食品の機能性を調べる試みを行った。この手法の優れた所は、従前のイン・ビトロ系の実験では、その食材が持つ機能性が、抗酸化作用しか判らなかったのが、抗酸化性によるものか、抗炎症性作用によるものか判別する事ができる点である。23年度は、この方法が実際に運用できるかどうか、水産発酵食品の中でも、試しに、ふぐで作った魚醤やくじらで作った発酵調味料で調べた。結果は、従前では、抗酸化性だけだと思われたこれらの発酵調味料の機能性が、抗炎症性も含む事が判明し、次世代食品機能性の有効性を評価する事ができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請の「次世代食品機能性評価法」の有効性を、水産発酵食品で確認する事が出来た。加えて、水産発酵食品に、機能性の中で、抗酸化性だけでなく、抗炎症性もある事が発見できたのは、決して、イン・ビトロ(試験管内)系では判らなかっただけに、この知見の発見は大きい。但し、まだ、実験に用いる培養細胞系が、完全に確立されている訳ではないので、予想以上に進んでいる点もあれば、不充分な点もあって、総合的に、予定通りの進捗状況と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
申請者は、なるべく早い時期に、安定的に、好中球様HL60分化細胞を得る事ができる培養細胞法を確立したい。厳密な実験系である細胞内のスーパーオキシドアニオン・ラジカルの変動とカルシウム変動の二段階変化が検出できるまで、実験の精度を上げたい。でないと、大雑把な知見しか得られない事になるからである。また、実験試料を、魚醤の様な水産発酵食品から、蒲鉾の様な水産加工食品に至るまで広げて行き、水産食品が持つ機能性の全体像を把握する事を試みたい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
細胞内培養用培地試薬 20万円シグナルトランスダクション実験用分子生物試薬 21万円プラスチックシャーレ 10万円ガラス区別途 10万円学会旅費 20万円
|