研究課題/領域番号 |
23500949
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研究機関 | 独立行政法人水産大学校 |
研究代表者 |
原田 和樹 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 教授 (60181012)
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研究分担者 |
和田 律子 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 講師 (30351935)
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キーワード | 次世代食品機能性評価法 / 同時測定法 / 抗酸化性 / スーパーオキシドアニオン・ラジカル / 細胞内カルシウムイオン / うに魚醤 / アルコール漬け瓶詰ウニ塩辛 / 好中球 |
研究概要 |
申請者は「次世代食品機能性評価法」、すなわち、免疫細胞である好中球のアナローグとしたHL60分化細胞を用いて、化学発光と蛍光を組み合わせてのスーパーオキシドアニオン・ラジカル産生と細胞内カルシウムイオンの動態の同時測定を行い、細胞内トランスダクション機構の観点から、食品の機能性を調べる新規な手法に関して、本格的な運用を行った。魚醤に加えて、水産加工食品の一つであるアルコール漬け瓶詰ウニ塩辛にも応用を行ってみた。「ふく魚醤」や「くじら醤油」と抗酸化性を示すORAC値が異なるにも関わらず、それらの魚醤と同様に「うに魚醤」の0.03%から0.1%までの濃度の間で、免疫反応による過剰なスーパーオキシド産生を抑制する可能性が示唆された。一方、アルコール漬け瓶詰ウニ塩辛では、0.001%から1%の濃度では、特に機能性を発現しなかった。生ウニでは3%以上の濃度で、スーパーオキシド産生を抑制する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請の「次世代食品機能性評価法」の有効性を、水産発酵食品だけでなく、発酵を伴わない水産加工食品でも確認する事が出来た。水産加工食品にも、機能性の中で、抗酸化性だけでなく、抗炎症性もある事が発見できたのは、水産物全体の健康増進機能性の優位性を示唆している。決してイン・ビトロ(試験管内)系では判らなかっただけに、この知見の発見は大きい。実験に用いる培養細胞系も、完全に確立されている訳ではないながら、安定性が認められる様になった。総合的に、予定通りの進捗状況と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
申請者は常時安定的に、好中球様HL60分化細胞を得る事ができる培養細胞法を確立したい。厳密な実験系である細胞内のスーパーオキシドアニオン・ラジカルの変動とカルシウム変動の二段階変化が、常時検出できるまで、実験の精度を上げたい。また、実験試料を、水産加工食品の一つであるアルコール漬け瓶詰ウニ塩辛だけでなく、他の代表的な水産加工食品である蒲鉾や海藻製品まで広げて行き、水産食品が持つ機能性の全体像を把握する事を試みたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
細胞内培養用培地試薬 10万円 シグナルトランスダクション実験用分子生物試薬 15万円 プラスチックシャーレ 10万円 水産加工食品試料 5万円 学会旅費 10万円
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