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2013 年度 実績報告書

食物繊維の生体内での役割ー生活習慣病予防の観点から

研究課題

研究課題/領域番号 23500951
研究機関東京学芸大学

研究代表者

南 道子  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70272432)

キーワード食物繊維 / DNAマイクロアレイ / 遺伝子発現
研究概要

食物繊維は、栄養的な観点からはあまり研究対象として顧みられなかったが、腸内細菌叢の研究が進むにつれて、その生体内での役割が明らかになってきた。また、遺伝子工学の発展や、分析機器の誕生で食物繊維のもつ新たな生理作用を研究する条件が整った。
われわれは、食物繊維の中で、セルロースを取り上げて研究を行った。まず、研究対象として、便秘等に悩む高齢者を想定して40週令のラットを選び、生育中に与えられていたセルロース5%の餌をコントロールとして、それよりも少ない量と多い量の餌を作成し、一週間飼育した。ラットの血液、糞、肝臓、脂肪細胞などを採取し、昨年度までに血中のコレステロール、中性脂肪など脂質の分析を行った。肝臓からは、RNAを抽出し、30000個の遺伝子を搭載したラットアレイチップにハイブリダイズして、コントロール食にくらべ発現が増加する遺伝子、減少する遺伝子を抽出し、現在詳細な研究中である。糞はTRFLP法で分析し統計解析したところ、クラスターを形成し、食物繊維の量により腸内細菌叢を変化させる事が証明された。
今年度は、論文作成を視野にいれて、アディポカインであるPAI-1、レプチン、TNF-α、IL-6について、脂肪細胞のmRNAを抽出して、RT-PCRを用いて解析した。その結果、PAI-1、TNF-αでは、食物繊維量が多い群は少ない群に比べ、産生されるmRNAの量が減る事がわかっった。レプチンではその差は小さかった。また、論文作成のためにデータを補完する目的で、肝臓中の、コレステロースや中性脂肪の分析を行った結果、総コレステロールの結果に有意差が得られ、食物繊維の量で、血中コレステロールの量がコントロールされる事がわかった。
ペクチン食で飼育したラットの血液分析で、レプチンについてはセルロースと同様な傾向を示したが、PAI-1は反対の結果となり、詳細な検討が必要と考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Construction of a crown ether-like supramolecular library by conjugation of genetically-encode peptide linkers displayed on bacteriophage T7,2014

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Fukunaga, Takaaki Hatanaka, Yuji Ito, Michiko Minami and Masumi Taki,
    • 雑誌名

      Chemical communication

      巻: 50 ページ: 3887-4012

    • 査読あり
  • [学会発表] 製パンへのセルロース及びセルロース誘導体添加の影響2013

    • 著者名/発表者名
      西原百合枝、南道子、江藤和佳子、朝倉富子、舟木淳子
    • 学会等名
      第65回日本家政学会
    • 発表場所
      東京 昭和女子大
    • 年月日
      20130527-20130529
  • [学会発表] 喉越しを数値化する~オトガイ下筋の筋電位に及ぼすゼリー状オブラートの効果2013

    • 著者名/発表者名
      福居篤子、南道子、朝倉富子
    • 学会等名
      第28回日本薬剤学会
    • 発表場所
      名古屋 ウィンクあいち
    • 年月日
      20130523-20130525
  • [図書] 調理学-生活の基盤を考える2013

    • 著者名/発表者名
      吉田 勉監修、南 道子、舟木 淳子編著 高崎 禎子、柘植 光代、宅間 真佐代、松藤 泰代、平和 香子、三宅 紀子、畦 五月
    • 総ページ数
      192
    • 出版者
      学文社

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公開日: 2015-05-28  

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