研究課題/領域番号 |
23500953
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
翠川 薫 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), リサーチアソシエイト (20393366)
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研究分担者 |
村田 真理子 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10171141)
翠川 裕 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (10209819)
中村 哲 独立行政法人国立国際医療研究センター, マラリア熱帯医学研究部, 室長 (40207874)
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キーワード | 国際情報交換 / ラオス / アルツハイマー / 生活習慣病 / 食生活 |
研究概要 |
本研究は、先進国で深刻な社会問題となっているアルツハイマー病(AD)が、途上国においても将来同様に増加していくのか、これまでの知見を検証しながら途上国での発症リスク評価を行う。これまでの調査から、都会ではメタボリックシンドローム予備群の割合が予想以上に高く、5年間の間に糖尿病や肥満になった村人が増加していた。特にAD 罹患リスクは糖尿病患者で高く、AD危険因子ApoE遺伝子のe4が伴う場合は、さらに高くなる報告があり、糖尿病の増加は深刻と考える。 当該年度では、2012年に首都近郊の農村パイロン村で行った方法と同様に隣村の塩生産工場をかかえる農村コクサ村の5年後調査を実施した。この村は2008年に成人対象の健康調査を実施しており、5年間の変化を比較調査として実施した。その結果、BMI25以上の肥満が男性で26から39%、女性で38から50%に増加した一方、18.5未満のやせが、男性は14から6%、女性6から3%と減少していた。またHbA1cが6.5以上の糖尿病の疑いのある人が男性で約3倍に、女性で約2倍に増加していることがわかった。感染症の指標であるサルモネラの保菌率は、14から9%に減少していることから、隣村パイロン村で実施した結果と同様に、この5年間の経済成長が進むなかで、感染症リスクは減少傾向にあるものの、反対に中高年の肥満、糖尿病の増加が確認された。 当該年度は首都圏の基幹病院の1つ、セタティラ病院の病院長を訪問し、認知症患者の現状を調査した。本研究の共同研究機関・国立マホソート病院と同様に認知症患者はここでも確認されなかった。 2014年2月、コクサ村の調査結果をマホソート病院において、ブンタパニー病院長および病院スタッフ、保健省のブアバン医師等の参加による報告会を開催し、生活習慣病の現状と認知症患者の実態把握の必要性について意見交換を行った。
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