研究課題
1.大脳毛細血管が、周囲の脂質環境によってどのような変化を受けるかを検討するため、血管内皮細胞の培養を行った。マウス大脳皮質の毛細血管を分離する方法はCoisne et. al (2005)らの方法に従って行った。すなわち、大脳皮質から髄膜を除いてホモジナイズしたものについて、デキストランを用いた密度勾配遠心法によって神経系細胞を除き、得られた分画をコラゲナーゼ/ディスパーゼで処理し、確立された細胞がtight junction に関係する蛋白質を発現することを確認した。同時にbEnd3など既存のcell lineを使用した。これらの細胞について、脂質のバランスを変化させた条件下で培養を行った。vivoについては、脂質環境を変化させた飼料を与えたマウスを準備した。これらの細胞・組織について、血管周囲のアストロサイトにFABP5・7が発現するのみならず、大脳毛細血管内皮にもFABP5が発現する可能性があることを示した。 また、FABP7がアストロサイトだけではなく大脳皮質のオリゴデンドロサイト前駆細胞に局在し、神経外傷時のグリア瘢痕形成に寄与することを示した。2.胎盤でのFABP群の発現を示した。また、脂質の変動が大きい消化器系の組織について、FABPが細胞の機能を修飾することを示した。
2: おおむね順調に進展している
23年度に予定した研究計画をほぼ完了した。
引き続き、血管および血管を支持するストローマ細胞への脂質の影響について解析を行う。大脳皮質のみならず、胎盤および脂質の変動の大きな組織(消化管など)を用いて詳細に検討を進める。
特に消耗品費に主に使用する。また、得られた成果を発表するための論文投稿費用・学会発表のための旅費にも使用する。
すべて 2012 2011 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (10件) 備考 (1件)
Epilepsia
巻: 53 ページ: 489-493
10.1111/j.1528-1167.2011.03388.x.
Cell Mol Neurobiol
巻: 32 ページ: 245-253
10.1007/s10571-011-9756-4
Histochem Cell Biol
巻: 136 ページ: 501-513
10.1007/s00418-011-0865-4
Curr Pharm Des
巻: 17 ページ: 168-175
10.1038/jhg.2010.132
J Invest Dermatol
巻: 131 ページ: 604-612
J Human Genetics
巻: 56 ページ: 34-40
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~org-anat/