研究課題
本研究では、食用油以外の食品中にGEsが含まれているか確認するために、豚挽肉を様々な条件下で加熱調理し (調理方法、温度、時間)、GEsが生成するか検討した。豚挽肉100 gを用いて、直径100×厚さ15 mmの大きさのパテ様肉を作製し、ガス加熱 (フライパン調理) や炭直火加熱 (BBQ調理) で加熱後、粉砕した。粉砕した加熱処理肉を凍結乾燥し、乾燥物約10 gをソックスレー抽出器を用いて、エーテルで抽出した。抽出液を減圧濃縮して測定用試料とし、試料を逆相固相抽出カートリッジ (Sep-Pak Vac RC C18 cartridge) 及び順相固相抽出カートリッジ (Sep-Pak Vac RC Silica cartridge) を用いて前処理を行った後、メタノール/2-プロパノール (1:1) に溶解して分析用試料とし、LC/MS/MSを用いて。なお、測定対象GEsとして、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸グリシジルの各GEs量を測定した。その結果、加熱調理した豚挽肉パテ100g当たりに含まれる総GEs量を測定したところ、フライパンを用いたガス加熱調理では、弱火加熱(150℃)、5分間では0.54μg、10分間で0.73μg、15分間で0.38μg、20分間で2.18μgであり、強火加熱(250℃)、5分間では4.74μg、10分間では8.03μgであった。また、炭直火加熱(最高温度:656℃)では平均195μg(15.5~321μg)であった。また、各GEs含有量を比較したところ、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸グリシジルの順に加熱調理後の豚挽肉パテ中に多く含まれていることを確認できた。
すべて 2013
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