研究課題/領域番号 |
23500982
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
瀬口 正晴 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (40149612)
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キーワード | グルテンフリーパン |
研究概要 |
グルテンフリー膨化食品の開発研究のため、粘性食品を用いて小麦粉を用いない製パン開発研究を進めた。粘性食品として昨年のジネンジョ(山芋)(FSTR 18,543-548, 2012)に変わって、今回はバナナ果実で試験を行った。バナナの未熟(green=0day),完熟(yellow=5days), 過熟(black=22days)のものをそれぞれ調製し、乾燥粉体化した。この粉体に小麦デンプン、イースト、砂糖、食塩等を加え、従来通りの方法で製パン試験を行った。未熟、完熟では小麦粉同様の製パン性は得られなかったが、過熟のバナナ果実からは満足のゆく製パン結果が得られた。過熟バナナ果実中の酵素類の存在が知られているが、それらの作用によって製パンに適したものが得られた。本研究は平成24年度日本食品科学工業学会(札幌)で発表され、平成25年度AACCI(American Association of Cereal Chemists International)で発表予定。さらにCereal Chemistry誌に投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目にはジネンジョ(山芋)を用いたグルテンフリーの製パン試験の可能性を示した (FSTR 18,543-548,2012)。今回過熟バナナ果実の粘性に注目して、製パン研究を進めその成果を食品科学工業学会で発表、AACCI学会で発表予定、さらにCereal Chemistry に投稿予定である。海藻(ガゴメコンブ)でもグルテンフリー製パン試験に挑戦したが、思うような結果は得られなかった。新たに粘性食品のキノコ(なめこ)を用いて、グルテンフリーの製パン研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでグルテンフリーパンの調製研究を進めてきた。その結果、山芋(ジネンジョ)、過熟バナナ粉での製パンの可能性が見いだされてきた。さらに一つの研究方向としては新たな粘性食材を探すことである。例えばキノコ類中のナメコ、野菜のオクラ等でこれまで同様に製パン試験を進めたい。 このグルテンフリーパンで用いられるデンプンには、これまで小麦デンプンを用いたが、小麦以外のデンプンでもいろいろ検討した。しかし目下小麦デンプンが最適であり、他のデンプンとの差が顕著であった。この原因を調べ、米、イモ、他デンプンとの違いを調べる実験を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
ICC CONFERENCE 2013-PERTH,WESTERN AUSTRALIA 25TH-28TH August,2013で発表予定、テーマは、”Effect of polysaccharides to improve the deterioration of breadmaking properties by frozen and thawed bread dough" 。フライト代込みで予算約15万円。 AACC International Annula Meeting September 29-October 2, 2013 Albuquerque, New Mexico, U.S.A.で発表予定、テーマは、”Development of gluten-free bread baked with banana flour"。 フライト代込みで予算約25万円。その他雑費で10万円。
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