研究概要 |
昔からパンを食べると体に異常障害(嘔吐、成長障害等)をきたし、死に到るceliac 病が認められた。グルテンタンパク質がその原因と言われている。これまでジネンジョを用いてグルテンフリーパンを作った。ジネンジョを凍結乾燥後、小麦デンプンなどとブレンドして製パン試験を行った。ジネンジョを水に対して透析し、高分子量成分と低分子量成分に分画し、合一することで良好なパンを得ることができた。高分子量区分(マンナン多糖類)と低分子量区分(ペプチド)との間の混合がジネンジョの粘度をえるのには大切であることがわかった。(Development of gluten-free bread baked with Yam flour. M.Seguchi, M.Ozawa, C.Nakamura, A.Tabara. Food Sci. Technol Res. 18 (4), 543-548, 2012.)。過熟バナナを用いたグルテンフリーパンの調製をすすめた。バナナはグリーンのもの、その後エージングして黄色になったものではパンはうまく膨化しなかったが、さらに放置して黒色化して粘度のでたものでは小麦パン同様の膨化を得ることができた。黒変するとバナナ組織中のデンプンは糖化され、細胞も破壊されクリーム状の組織に変化し、これを用いると小麦パンに相当するほどのグルテンフリーパンのできることがわかった。この場合、バナナ組織中の酵素的活性が大切で、この黒色したバナナをオートクレーブ処理するとパンは膨化しない。(Development of gluten-free bread baked with banana (Musa spp.) flour. M.Seguchi, A.Tabara, K. Iseki, M.Takeuchi, C.Nakamura, Food Sci. Technol Res. 2014. in print)。
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