柑橘類の搾汁残渣は果汁とほぼ同じ重量で生じ、その処理が問題となっているが、肥料や家畜のエサとして利用されるかゴミとして廃棄されるのが現状である。本研究では、搾汁残渣の有効利用を目的に、温州ミカンの搾汁残渣に水を加えて120℃、30分熱水抽出したものを凍結乾燥し、実験材料とした。ラットを用いた動物実験のために、AIN93Gの基準食、シュークロース25%を含む高糖質食、高糖質食に熱水抽出物を添加した柑橘食の3種を調整し、28日間にわたって摂取させた。結果として、搾汁残渣熱水抽出物は、ビフィズス菌菌数を増加させ、血清中の中性脂肪を熱水抽出物を含まない高糖質食に比べ、有意に減少させた。
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