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2012 年度 実施状況報告書

食嗜好性獲得における味覚感受性の経年的変化と嗜好学習の役割

研究課題

研究課題/領域番号 23500986
研究機関畿央大学

研究代表者

上地 加容子  畿央大学, 健康科学部, 助教 (50390208)

研究分担者 山本 隆  畿央大学, 健康科学部, 教授 (60028793)
キーワードFlavor / Learning / Preference / Aversion / Development / Infancy
研究概要

健全な食生活の基盤は、好き嫌いや偏食がなく、多様な食べ物に対して高い嗜好性を持ち、おいしく食べ、楽しく食事をすることにある。味覚感受性の測定に関する研究では、食嗜好性の獲得にかかわる要因の中で、味覚感受性と食べ物に対する嗜好学習を取り上げ、味覚感受性の個人差や経年的変化を測定し、同時に行う食嗜好、食行動、食習慣に関するアンケート調査結果と対応させ、解析しているところである。5基本味に対する閾値(検知閾、認知閾)を測定する「畿央大学式味覚テスト」を、更に簡便な方法で行えるように現在開発中である。味覚の嗜好性を高めることの意義に関する研究では、機能的近赤外線スペクトロスコピー(fNIRS)を用いて、嗜好性の高い食べ物を実際に食べたときの脳活動を計測し、その活動部位、活動パターンを解析し、第59回栄養改善学会で発表したところである。幼少期の嗜好学習獲得とその保持に関する研究は、幼児期に経験した高濃度の溶液を嫌悪学習することがわかり、それらの結果は成長後も記憶に留められ嫌悪性を維持した。高濃度の溶液をなぜ嫌悪学習するのかを明確にするためにラットを用いて実験を行っているところである。その途中経過を第45回日本味と匂学会、第65回日本栄養・食糧学会で発表したところであるが、引き続き今年度も学会で発表予定である。また、研究成果が雑誌に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の途中経過を各学会で発表することができた。「幼少期の嗜好学習獲得とその保持に関する研究」については雑誌に掲載された。

今後の研究の推進方策

味覚感受性の測定に関する研究は、「畿央大学式味覚テスト」を用いて、引き続き年齢横断的に味覚閾値を測定していく予定である。また、「畿央大学式味覚テスト」に代わる新しい味覚テスト改良版の開発を行っていく。味覚の嗜好性を高めることの意義に関する研究として機能的近赤外線スペクトロスコピー(fNIRS)を用いて、嗜好性の高い食べ物を実際に食べたときの脳活動を計測し、その活動部位、活動パターンを解析しているところである。幼少期の嗜好学習獲得とその保持に関する研究は、離乳直後のラットが味とにおいの連合学習を獲得することができ、獲得した学習効果が成長後も保持されることが明らかになった。高濃度の溶液を嫌うのは、幼若期の特徴と考えられることから、その原因を解明するために引き続き実験を行っているところである。

次年度の研究費の使用計画

物品費 70万円、旅費 20万円、謝金 25万円、その他 15万円
「畿央大学式味覚テスト」に代わる新しい味覚テスト改良版の開発を行っているが、企画を練ることに時間が取られ、実験機器の選定や購入にまで至らなかったため、未使用額が発生した。今年度は、サンプル作成を行うため実験機器が必要となる。
「畿央大学式味覚テスト」は、薬品やサンプルカップ等の実験用具、アンケート結果入力のための人件費が必要となる。機能的近赤外線スペクトロスコピー(fNIRS)を用いた実験ではfNIRS用の実験用品、被験者への実験のお礼、学会発表等を支出予定である。幼少期の嗜好学習獲得とその保持に関する研究は、動物実験に必要な消耗品及び学会参加費などを支出予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Flavor learning in weanling rats and its retention.2012

    • 著者名/発表者名
      Kayoko Ueji 、Takashi Yamamoto
    • 雑誌名

      Physiology & Behavior

      巻: 106 ページ: 417-422

    • DOI

      10.1016

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 幼若ラットにおける嗜好学習と溶液濃度の関連について2012

    • 著者名/発表者名
      上地 加容子,山本 隆
    • 雑誌名

      日本味と匂学会誌

      巻: 19 ページ: 315-318

    • 査読あり
  • [学会発表] Nutritional factors affecting spontaneous physical activity in rats2012

    • 著者名/発表者名
      山本 隆、西尾裕貴、峰松祐至、上地 加容子
    • 学会等名
      第35回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      20120918-20120921
  • [学会発表] 食べ物の嗜好性による脳活動の変化2012

    • 著者名/発表者名
      峰松祐至、上地 加容子、山本 隆
    • 学会等名
      第59回日本栄養改善学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      20120912-20120914
  • [学会発表] 幼若ラットにおけるフレーバー学習とその成因に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      上地 加容子、山本 隆
    • 学会等名
      第46回日本味と匂学会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      20120903-20120905
  • [学会発表] 幼若ラットにおけるフレーバー嗜好学習と学習効果2012

    • 著者名/発表者名
      上地 加容子、山本 隆
    • 学会等名
      第66回日本栄養・食糧学会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      20120518-20120520

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公開日: 2014-07-24  

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