研究課題/領域番号 |
23500988
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研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
吉村 幸雄 四国大学, 生活科学部, 教授 (50122578)
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研究分担者 |
高橋 啓子 四国大学, 生活科学部, 教授 (80148767)
武市 泰彦 四国大学, 生活科学部, 准教授 (40279112)
鎌田 智英実 四国大学, 生活科学部, 助教 (50389160)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 食事調査 / 携帯 |
研究概要 |
システムの開発について 対象として取り扱う情報を、(1)食事(料理名)と、(2)摂取栄養素量や料理区分別摂取量、などの食事情報とした場合、食事情報の記録と確認といったユーザーの作業と、これらの作業する支援する用途から、システム全体の機能が整理可能である。 IDの発行や、食事情報の登録と確認に関わるシステムの基本的な機能として次の5つを想定した。(1)利用者が入力フォームに身長、体重、年齢、性別等のデータを入力した後、管理側からログインIDとパスワードを発行する。(2)栄養の知識がない利用者が利用できるように、食品ではなく実際に食べた料理とその量を選択する。(3)選択された料理データから摂取栄養素やPFC比率等の結果を表示する。また登録時に入力した身長、体重、年齢、性別等から適切なエネルギー摂取量を算出し、表示する。(4)摂取カロリー等の結果は1食単位と1日単位で表示する。(5)データベースに記録した毎食の食事データを、1週間単位で集計し、食事の過不足などが確認できるようにする。システムの妥当性について 対象者に携帯食事手帳及び秤量記録法による食事調査を実施し、両方法から算出された摂取栄養素量を比較した。また、携帯食事手帳の内容に関するアンケートを実施し、利便性や改善点を検討した。携帯食事手帳から算出された摂取栄養素量と秤量記録法から算出された摂取栄養素量を比較すると、エネルギーや主要栄養素に有意差はなかったが、ビタミンD、食塩は調査方法の違いによる有意差があった。アンケートの結果、簡単に食事状況が把握できる等の利点があげられた一方で、登録されている料理内容や摂取量の入力等の改善を望む意見があげられた。 現在のシステムは栄養素摂取量の把握に関してはおおむね妥当性が確保されているが、より広い普及のためには、登録料理の検討やシステム改善が必要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度の実施計画では、システムの開発までであったが、計画がスムーズに運び、妥当性の検討まで研究を進めることができた。しかし、妥当性の調査を行った結果、システムには改善の余地がみられた。よって、今年度も引き続きシステムの改善を行う必要性がある。
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今後の研究の推進方策 |
料理データベースの充実 携帯食事手帳を使用しての感想で1番多く挙げられた意見が、「料理数が少なく、目的の料理がなかった」であった。よって料理のデータベースをさらに充実させる必要がある。まずは青年期の方が実際に摂取している料理を把握するために、実際に食べた料理名を記入する調査を実施する。調査から得られた料理や頻度を考慮し、料理データベースを更新する。システムの改善 食事名の検索を容易にするために、(1) 食事名での探索、(2) 食事の印象やイメージからの探索、(3) 食材からの探索、などの機能の追加、もしくは検索をサポートするためにメニューに画像を利用するなどの方法が考えられる。また、料理データベースに摂取した料理がない場合に対応する必要がある。これについては、摂取栄養素量や料理区分別摂取量が近い料理で代替する方法が考えられる。食事メニューページから食事を選択する場合、食事の分量の選択については、それぞれの食事で想定する基準の単位でしか対応できない。1単位の半分や4分の1などを摂取した場合の入力に対応する必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度の研究より、次年度の課題として、料理のデータベースをさらに充実させる必要が挙げられた。料理データベースを充実させるためには、青年期の方がどのような料理を食べているか幅広く調査する必要がある。(1)そのための調査費用が必要となる。同時に、(2)料理データベースに用いる料理画像を作成し、料理データベースを充実させる予定である。また、(3)システム改善のために、必要な情報機器及びソフト等の購入を計画している。
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