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2011 年度 実施状況報告書

消費者への効果的な食品表示教育方法の検討―個人レベルのリスク管理のために

研究課題

研究課題/領域番号 23500994
研究機関京都文教短期大学

研究代表者

田中 恵子  京都文教短期大学, その他部局等, 教授 (90450098)

研究分担者 池田 順子  京都文教短期大学, その他部局等, 教授 (30076880)
坂本 裕子  京都文教短期大学, その他部局等, 教授 (20269765)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード食品表示教育 / 栄養成分表示 / 食のリスク / 食生活 / 消費者教育
研究概要

食の多様化が進む現代において、健全な食生活を生涯にわたって実現するために、正しい知識と食を選択する判断力を身につけることが求められている。本研究では、食品表示を食べ方や量などの栄養学的側面も含めた個人的食の選択におけるリスク管理のツールとしてとらえ、消費者が食品表示を活用して、その即時的情報を食生活の改善に結びつけるためのスキルの習得をめざした教育方法を確立することを目標とした。 本年度は、塩分表示について青年期女子および一般成人女性を対象として参考と活用の現状を明らかにして、現行制度での活用に関わる課題を抽出した。栄養士養成課程における専門教育を受けた期間が異なる対象群の調査結果から、ナトリウム量から食塩相当量への換算は、一日摂取目標量に比べて知識として習得が難しいことが示された。一般成人女性の調査により、塩分に関わる表示の情報は、十分に参考にされていない実態が示され、課題として、現行の表示を活用するための基礎的な知識が十分に普及していないことがあげられた。塩分表示の在り方として、食塩相当量の併記の必要性が示され、併せて、塩分表示の数値情報を実際の減塩につなげていくために、一日摂取目標量の習得と減塩への強い意識付けを行う教育の必要性が示された。 また、個人の食生活において、食品表示をただ見るだけでなく、食生活の改善につながる活用を習慣化することを目標とした表示教育を、系統的な追跡調査が容易である短期大学学生を対象に行った。食べ方や量に関わる栄養学的なリスク管理への食品表示(栄養成分表示)の活用については、研究代表者が明らかにしてきた表示の参考と活用への阻害要因を含めた関連因子に関わる知見をとりいれて実施した。教育の効果を解析して発表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書に記載した平成23年度分の「研究の実施計画」に従って実施した。得られた結果はすでに、学会発表を2回行い、一部の内容は既に論文として発表済みであり、さらに、学会誌へ現在投稿中の成果もある。

今後の研究の推進方策

平成24年度は、原材料表示、期限表示、原産地表示、および注意喚起表示などの食品表示項目について、現状としてどのように参考と活用がされているのか、またその実態が、食のリスクに関わる意識、態度、行動とどのように関連しているかを明らかにして、食のリスク教育、リスクコミュニケーションを推進していくための基礎的な知見を得る。調査対象は、栄養士養成課程学生、保育士・幼稚園教諭養成課程学生および現場の保育士・幼稚園教諭を対象者とする。得られた結果から、食育の現場における食品表示の活用を含めた食のリスク教育、リスクコミュニケーションを行っていくために必要な知識、考え方を習得するための効果的な教育方法を検討する予定である。 また、平成23年度に実施した、教育内容の評価結果から、実施した表示教育方法の問題点を精査した上で改良を加えて異なる対象者に対して実施する。 得られた結果を基にして、栄養学的側面を含めた食のリスク教育における食品表示の活用を推進するための媒体(冊子、リーフレット等)を作成する。本研究で得られた成果を、幅広く他の性・年齢階層からなる地域コミュニティにおける食のリスクコミュニケーションにおいて展開することを視野にいれた統括を行い、成果を公表する。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度では「次年度費用額」が発生した。これは、平成23年度に購入した物品の金額を当初予定より低く抑えることができたこと、当初アルバイト対応で予定したデータ入力を外注したため大きく経費を節減することができたためである。 平成24年度は、「次年度費用額」を用いて、当初予定よりも調査対象者の範囲を広げて、インターネットを利用した調査を当初予定に追加して実施することで、より一般化した研究成果を得ることを検討している。また、申請時予定通りに、地域での食品表示教育や食のリスク教育で使用するためのノート型コンピューター、プロジェクターなどを購入するとともに、引き続き、データ入力のための人件費と解析のための統計ソフト購入のための消耗品費を使用する。さらに、資料収集や結果公表のための出張費および投稿費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 栄養士養成課程学生の塩分表示の知識・意識・行動の実態 ―専門教育を受けた期間との関連から考察した塩分表示と消費者教育のあり方―2011

    • 著者名/発表者名
      田中惠子、他
    • 雑誌名

      京都文教短期大学研究紀要

      巻: 50 ページ: 21-32

  • [学会発表] 家族の食事作りを担当している40、50歳代女性の塩分表示に関わる知識・意識・行動の実態2011

    • 著者名/発表者名
      田中惠子、他
    • 学会等名
      第42回日本食生活学会年次大会
    • 発表場所
      関東学院大学(神奈川)
    • 年月日
      2011年5月21日
  • [学会発表] 40、50歳代女性の塩分表示に関わる知識・意識・行動の実態と食生活との関連2011

    • 著者名/発表者名
      田中惠子、他
    • 学会等名
      第58回日本栄養改善学会学術総会
    • 発表場所
      広島国際会議場(広島)
    • 年月日
      2011 年 9月10日

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公開日: 2013-07-10  

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