研究課題/領域番号 |
23500994
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研究機関 | 京都文教短期大学 |
研究代表者 |
田中 恵子 京都文教短期大学, その他部局等, 教授 (90450098)
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研究分担者 |
坂本 裕子 京都文教短期大学, その他部局等, 教授 (20269765)
池田 順子 京都文教短期大学, その他部局等, 教授 (30076880)
森 美奈子 京都文教短期大学, その他部局等, 講師 (30469530)
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キーワード | 食品表示教育 / 栄養成分表示 / 食のリスク / 食生活 / 消費者教育 / 食育 |
研究概要 |
食の多様化が進む現代において、健全な食生活を生涯にわたって実現するために、正しい知識と食を選択する判断力を身につけることが求められている。本研究では、食品表示を食べ方や量などの栄養学的側面も含めた個人的食の選択におけるリスク管理のツールとしてとらえ、消費者が食品表示を活用して、その即時的情報を食生活の改善に結びつけるためのスキルの習得をめざした教育方法を確立することを目標とした。 本年度は、個人レベルの食の管理に食品表示を活用するための表示教育方法として、特に加工食品からの脂質の過剰摂取などの若い世代の食生活のリスクを軽減するために、栄養成分表示をより活用していくための教育のあり方を検討し、成分表示活用が具体的にどのような影響を与えうるのかという有効性を検証した。また、食品の個別的選択の状況における情報源としての食品表示について、現状としてどのように参考と活用がされているのか、またその実態が、食のリスクに関わる意識、態度、行動とどのように関連しているかを明らかにするためのアンケート調査を実施した。「どのような食品にもリスクはあり、その大きさが問題である」などの食のリスクについて適切な認識を有する者に、食のリスクに関わる知識がある者や、原材料などの食品表示を見ている者の割合が多いという関連が幾つか見られる一方で、食品添加物などの表示をよく見ている者に、子どもの食のリスクとして個人的対応が求められる問題を的確に認識している者の割合が少ない、という課題が抽出された。本結果をもとに、食品表示の活用を食品の安全性に関する科学的な視点、リスクマインド、を身につけることに結びつけていくための教育やリスクコミュケーションの方法について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した平成24年度分の「研究の実施計画」に従って実施した。得られた結果は学会発表を行い、一部の内容は論文として発表した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、前年度までに得られた結果の解析を行うとともに、食のリスクに関わる知識・意識・行動と食品表示活用との関連についての調査を、様々な属性(一般成人女性、保育者等)に広げて実施し本研究をより広い世代に展開していく際の基礎資料とするための知見を得る。さらに、食育の現場における食品表示の活用を含めた食のリスク教育、リスクコミュニケーションを行っていくために必要な知識、考え方を習得するための効果的な教育方法の検討を継続して実施し、得られた結果を基にして、栄養学的側面を含めた食のリスク教育における食品表示の活用を推進するための媒体(冊子、リーフレット等)を作成する。本研究で得られた成果を、幅広く他の性・年齢階層からなる地域コミュニティにおける食のリスクコミュニケーションにおいて展開することを視野にいれた統括を行い、成果を公表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度では「次年度使用額」が発生した。これは、平成24年度に実施予定の調査の一部が、25年度での実施予定となったためである。 平成25年度は、本研究の最終年度として、すでに本研究で得られている知見をより幅広い対象者で検証するために、前半期にインターネット調査を実施する。さらに、平成23~24年度の研究により得られた結果を検証するための教材などの購入、さらに結果公表のための出張費および投稿費を使用する予定である。
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