研究課題/領域番号 |
23500995
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研究機関 | 長岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
菅原 正義 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (30259840)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 湿熱処理 / 高アミロース米 / 難消化性デンプン |
研究概要 |
夢十色、新潟79号、北陸207号の高アミロース米3品種の中から、アミロース含量、炊飯時の糊化度、糊化後の老化速度、食物繊維含量、in vitro 消化速度試験、炊飯米の食味、物性試験の結果から白米での吸水率が低く、炊飯後の糊化度が低い北陸207号を選定した。難消化性デンプン含量は、未処理の1.2%から2.8%に増加、食物繊維含量は、未処理の0.6%から1.5%に増加、α-コーンスターチを100としたin vitroの消化速度は、未処理コシヒカリ93、未処理74、湿熱処理64と消化速度の低下が認められた。 北陸207号の湿熱処理条件を、保存中の変質に関与するリポキシゲナーゼ活性の消失、糊化度、食味の点から検討し処理条件を確立できた。 In vitro の消化速度評価に加え、ラットを用いた糖吸収速度、エネルギー代謝関連指標(アディポネクチン、レプチン、リアルタイムPCR 法を用いた肝臓中の関連mRNA 転写の網羅的解析)、脂質代謝(血中脂質、糞中脂質)への影響を検討したが、盲腸内脂肪酸の増加や盲腸内容物pHの低下など、盲腸内細菌に対する影響が認められたが、脂質代謝、エネルギー代謝への影響については、傾向は認められたが有意な差が認められなかった。湿熱処理によって高アミロース米中の難消化性デンプン含量は、増加を示したが数%の増加であり、動物実験で生理的機能性の差として検出するには不十分であったことが考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高アミロース米選定とその湿熱処理条件の設定に手間取り、当初計画の保存性の確認試験の開始が遅れてしまい、現在も進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
高アミロース米選定とその湿熱処理条件の設定に手間取り、当初計画の保存性の確認試験の開始が遅れてしまい、2度の動物実験を計画していたが23年度中に1度しか実施できなかず、23年度直接経費の一部を24年度に繰り越した。24年5月10日より23年度分の動物実験を実施中である。それ以外の研究は計画通り実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
23年度に実施予定だった1回分の動物実験を24年5月10日から実施しているため、23年度研究費の一部(240,000円)を24年度に繰り越した。その他の24年度分の研究費については、申請書通り使用する計画である。
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