研究課題
研究の最終年となる今年度は,主としてUSBカメラを搭載したマイクロヘリコプター(以下,MAV)で遠方の画像を取得してリアルタイム3次元画像処理を行うための並列システムを構築・実装し,その過程を教材として取り纏めることを目的として研究を進めた.まず,システム構築に関しては,MAVからの映像をWiFi通信を通じて一定間隔で静止画として切り出し,それらの画像群から特徴点の対応を定め,点群の3次元復元を行う手法の開発を行った.この手法により,妥当な3次元点を復元することに成功しているが,これを単体のPC上で実装することに思いのほか時間を要してしまったため,残念ながら並列システムとしての実装までには至らなかった.このため,MAVに関連した教材の開発には着手することができなかったが,その代わりに,前年度までに研究を進めた「画像中の点や線の組み合わせに基づいた組み合わせ的画像処理手法の具体的な並列実装法」について,これを実際のプログラム製作過程から効果的に習得できるような教材を作成した(教材の具体的な中身は,既に開発済みのクラスタPCの環境構築手順,及び組み合わせHough変換を複数CPUで並列実行するためのプログラム生成手順を取りまとめたものである).この教材を利用して,申請者の研究室に新規配属された学生達に対する実習を試みたところ,並列プログラミング部分については問題なく理解できていたようであり,教材に含まれていない画像からの消失点検出処理などについても,特に指導することなく自力で並列実装することができていた.この意味で,本研究の目的の一つである「並列プログラミング技術を有する人材の育成」という面に対しては,ある程度の成果を挙げられたものと考える.
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The Journal of the Institute of Image Electronics Engineers of Japan
巻: Vol.42, No.4 ページ: 536-545
http://www.mips.cis.iwate-u.ac.jp/