研究課題/領域番号 |
23501002
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
猿渡 英之 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (30221287)
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キーワード | 自然科学教育 / 化学教材 / 定量化学分析 |
研究概要 |
自作の簡易吸光光度計や簡易蛍光光度計改良し、適用範囲を拡大するため、ICP発光分析法などの既存の広く使われている方法と分析値を比較しながら、検討を行った。また、より簡単で確実な使用方法についても検討を行った。 一方、目視によって比色分析を行う実験教材についても、より実験が容易で得られる値が正確になるような最適化をはかり、中学生を対象とした出前授業の形で学校現場における試行を行った結果では、短時間の実験で十分な正確さが得られることが分かった。 滴定による定量的実験を誰でも短時間に確実に、かつ低いコストで、さらに仮設教室等の設備が十分といえない環境でも行えるようにするため、各種の小型の簡易ビュレットをディスポーザブルシリンジやガラス器具を用いて作製し、正確さ、精密さ、使用の容易さ、経費などについて比較検討した。この結果、目的に応じた適切な器具を製作して使用できるようになった。 以上により、滴定による比較的高濃度の成分の定量、吸光光度法や比色分析法、蛍光光度法による微量、極微量成分の定量などが比較的容易に行えるようになってきたため、これらの定量的な分析方法を利用して化学反応の量的関係が理解できるような実験系と実験手順の検討を行っている。また、気体が関与する反応についても定量的な実験を行うために、気体の体積の簡便な測定方法について検討した上、化学量論あるいは化学平衡の理解につながる実験について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2011年度は震災の影響で実験室が使えない期間があったために当初の計画よりもやや遅れを生じてしまい、2012年度はその遅れを取り戻しつつあるが、2012年度にもまた改修工事のために半年の間使用できない建物、実験室があったため、教具の製作やそれを使用しての実践を一部実施することができず、完全に遅れを取り戻すには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに、様々な定量的な分析手段について検討を行ってきており、それをさらに発展させるとともに、これを活用して、化学反応の法則、粒子概念を理解できる実験プログラムの開発を行い、児童生徒による実験を通じて評価を行う。。
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次年度の研究費の使用計画 |
教材・教具の開発・製作およびそれを使用しての授業実践のために必要な実験器具や薬品をすみやかに購入するとともに、学校現場の実態調査および出前授業のための旅費、授業実践のためのティーチングアシスタント謝金の支出に研究費を使用する。
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