研究課題/領域番号 |
23501005
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
林 信太郎 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (90180968)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | キッチン・ジオ実験 / ジオパーク / 火山 / 噴火実験 / 溶岩 / 火山体の崩壊 / 溶岩ドーム / 理科教育 |
研究概要 |
「ジオパークにおける教育開発のニーズ掘り起こし」として各地のジオパーク(8ジオパークと3ジオパーク候補)を訪問,その他4ジオパーク関係者に対しヒアリングを行ない,ジオパークごとのキッチン・ジオ実験のニーズを整理した。また,来年度実際に実験を行いその効果を確かめるために,子ども火山教室やガイド講習会をジオパーク側と協議の上設定した。 これらの教室や講習会では,開発した実験を用い,アンケート,ヒアリングによる実験教材の顕彰を行う。また,本年は,新たなキッチン・ジオ実験として,「歯科印象材を使った溶岩ドーム実験」,「三原山の溶岩再現実験」,「金環食実験」,「ココアの山体崩壊実験」,「コンデンスミルクによるアア溶岩実験」,「入浴剤を使ってお風呂で噴火実験」などの開発を行った。この内,「ココアの山体崩壊実験」については,磐梯山ジオパークおよび島原半島ジオパークおよび伊豆半島ジオパーク候補で,「コンデンスミルクによるアア溶岩実験」については男鹿半島大潟ジオパークおよび八峰白神ジオパーク候補で,「歯科印象材を使った溶岩ドーム実験」については男鹿半島・大潟ジオパークで,ジオパークを訪れた児童や地元小学生を対象として実験の試行を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では,ジオパークにおけるニーズの掘り起こしが中心に展開される予定だった。新たなキッチン・ジオ実験の開発,その試行など次年度の計画の一部を先取りして行うことができ,実践に基づく実験の改良に効果があった。
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今後の研究の推進方策 |
新たな,キッチン・ジオ実験をいくつか開発する。開発のポイントは,印象的であり,意外性があることである。また,いくつか野外で使う事のできる実験を開発する。なぜなら,ジオパークの観察ポイントはほとんどが野外にあるからである。野外用いるために,可搬性のある簡便な実験システムを考案する。学校教育で用いられるキッチン・ジオ実験は,小学校6年の大地の変化の単元や,中学校1年の火山や地震の学習に資するものとする。これまで開発された実験を元に実験キットを開発・作成し,小中学校の現場で活用する。 また,開発したキッチン・ジオ実験はジオツアーおよび学校現場でその効果を実践的に検証する。島原半島ジオパークあるいは有珠洞爺湖ジオパークおよび八峰白神ジオパーク候補および男鹿半島大潟ジオパーク内の小学校に対して,すでに協力を依頼済みである。参加者に対するアンケートを実施するとともに,調査補助者による参加者へのインタビュー,ツアーや実験中の参加者のつぶやきの記録,ビデオ映像,ICレコーダーによる音声記録を元に実験の効果を検証する。 さらに海外のジオパークを訪れ,視察を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
データとりまとめと,実験時のプレゼン用に薄型のノートパソコンを購入する。また,実験開発に使用する消耗品類および実験キット作成用の消耗品を購入する。旅費は日本のジオパークでの検証実験および学会での発表に用いられる。データ整理に謝金を用い,その他レンタカー借り上げおよび実験マニュアルを印刷するために経費を使用する。また,得られた録音データのテキスト起こしを一部外注する。
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