昨年度に引き続いて福島第一原発から出た放射能リスクの情報流通にかかわる実践研究を行った。放射能汚染地図は八訂版を最終版として完成形をみた。インタネットで交わされた話題は次の二つが大きかった。(1)福島県が子どもたち全員に行っている超音波検査で74人に甲状腺がんがみつかったことについて、放射線被ばくによるとする意見と、初めての全員検査によるスクリーニング効果であるとする意見が激しく対立した。(2)10月に政府が、被ばく線量を実効線量で表現する転換をアナウンスしたとき、住民側に大きな当惑がみられた。この混乱は現在も続いていて相互不信の種になっている。残念なことである。 2013年度後期の群馬大学教養授業で「原発事故と放射能汚染」と題する新しい講義を開講した。福島第一原発事故で放射能がいつどのように漏れたか、汚染が東日本の広範囲にどう広がったか、その汚染がひとの健康にどんな影響を及ぼすかを考察した。全編15回を録画してインターネットで公開した。 6月に、火山専門家3人と作家1人による「カルデラ破局噴火と富士山噴火」と題するだらだらトークセッションを開催した。会場に86人、ネット中継を介して212人の参加が得られた。 8月に、浅間山麓で子ども企画を2件実施した。コーラ噴火の実演を見たあとに弁当パックの蓋を使って火山の立体模型をつくるプログラムと、キャンプ場にテント泊して浅間山の火山とその恵みを体験するプログラムだった。 10月に伊豆大島に降った大雨によって発生した土砂災害(死者39人)の現地調査を行って、ブログとツイッターで情報共有した。 11月に西之島で始まっていまも継続中の噴火は、新しい情報が公開されるたびにツイッターで紹介している。場所が遠い洋上なため、上陸して撮影したり試料採取することがまだできないのはたいへん残念である。
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