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2012 年度 実施状況報告書

極めて簡便な神経染色法を応用した高校生物実験パッケージの開発と実践的検証

研究課題

研究課題/領域番号 23501015
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

相見 良成  滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (20231756)

キーワード理科教育 / 高校生物実験 / 神経染色 / 腸管神経系 / 理科実験 / NADPHジアホラーゼ / メダカ / 理科室
研究概要

若者の理科離れが指摘されて久しいが、理科、さらには科学への興味を喚起するためには、どのような言葉を尽くすよりも、実際の実験を通して科学現象の不思議さ、精巧さ、美しさを児童、生徒、学生に体験してもらうことが重要である。そこで高校の理科室で実施可能な神経染色実験パッケージの開発を試みた。
以下を目標に掲げ、動物種、臓器種、試料作成法、染色条件などを検討した。「2時間以内で、動物から標本を採取して染色し写真を撮影すること」「特殊で高価な器機(クライオスタットなど)を使用しないこと」「特殊な動物でなく市中で入手可能な動物を用いること」「再現性が高い明瞭な結果が得られること(失敗しないこと)」「低コストで安全に行えること」。
染色には以下の特長を持つ『NADPHジアホラーゼ染色法』を用いた。「染色手順が簡素でかつ染色に要する時間が短い」「すべての神経でなく一酸化窒素(NO)作動性神経を特異的に染める」「ゴルジ染色のように明瞭に神経細胞体と突起を描出する」「高価な試薬や観察機器を必要とせず低コストである」。
昨年度および本年度の基礎的な検討から、標本は「ホルマリン固定したヒメダカの消化管全層標本」とし、良好な消化管神経系のNO神経の染色を得た。高大連携講義の際に大学の生物実習室において高校2年生を対象として実効性検証を行った。講義を含めて2時間半で染色実験を行うことができ、生徒たちはスマートフォンで顕微鏡写真を撮影することができた。これらの結果は第118回日本解剖学会総会で報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理科室で可能な神経染色実験のプロトコールを完成させ、実際に高校生の手で染色を試み良好な結果を得た。2時間余りという短時間で講義を含めて実験を遂行でき、当初の計画を上回る簡便な方法とすることができた。

今後の研究の推進方策

実験プロトコールに沿った試薬や道具を完全にキット化し実習マニュアルを作成することで、専門家の臨席なしに実験を遂行できるようにする。そのためにいくつかの高校の理科室で試行を繰り返す。また教育効果を検証するため、現場の教師や生徒からの意見などを収集し分析する。

次年度の研究費の使用計画

実験試薬、道具のキット化や冷凍輸送などのコストの検討するため。また高校理科室での現場へ出向いての試行に関わる経費として研究費を用いる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 理科室で神経を染色する -極めて簡便な神経染色法を応用した高校生物実験パッケージの開発と実効性の検証-2013

    • 著者名/発表者名
      相見良成
    • 学会等名
      第118回 日本解剖学会総会
    • 発表場所
      高松市
    • 年月日
      20130328-20130330

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公開日: 2014-07-24  

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